TRUSTは、「建築TECHカンファレンスVol.1」を開催。第1部では、内装業向け業務効率化システムや中古住宅の仲介とリノベーションとを組み合わせた新規事業、住宅管理アプリが紹介された。
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TRUSTは2019年5月31日、「建築TECHカンファレンスVol.1」を東京都千代田区のAP市ケ谷で開催。カンファレンスは2部構成で、各部3人の講師が順に講演した。
本稿では当日の講演のうち、第1部をレポートする。
第1部は、まず、TRUST代表取締役の山口一氏が、建設内装業者が抱える課題と推進するソリューションを説明した。
TRUSTは、空間デザインを中心に、内装の設計や施工、建築測量(墨出し)を手掛けている。近年は、業界の生産性向上を目指し、ITを活用したシステムの開発にも注力している。
これまで、内装業者は、Webで顧客を増やす方法や利益率の悪い下請け仕事からの脱却、協力業者の確保といった課題に頭を抱えていたという。こういった問題を解決するのが、同社のプラットフォームサービス「イデアル ASP」。
2018年12月にリリースされたイデアル ASPは、反響率の高い集客専用のWebサイトと、ネットからの問い合わせで獲得した案件を協力業者に依頼できるシステム。
イデアル ASPについて、山口氏は、「主に、ユーザーを動員するオリジナルサイトを制作する。当社が、ネットワークを有している全国600社におよぶ協力業者の情報共有と、費用対効果の高い広告の提案も行う。最大の利点は、組み立てた専用ネットページに30件の反響保障を設けていることだ」と語った。
今後は、顧客の質問に24時間対応するAIチャットボットや工事原価の自動見積もり機能をオプションとして搭載していく考えだ。
次に、和久環組代表取締役の鎌田友和氏が、業容拡大を続けるリノベーション事業を解説した。
和久環組は、中古物件購入の仲介から改修工事の設計・施工、デザインまでを直営で行うブランド「Beat HOUSE」と、Beat HOUSEの運用で得られたノウハウを提供するサービス「リノベ不動産」を運営している。
現在、リノベ不動産は、全国で240の建築業者が加盟。所属する企業は、和久環組から顧客データや蓄積された知見を受け取り、中古住宅の買い付けの仲介から改修工事を実施している。
鎌田氏は、リノベ不動産について、「毎月800から1000人のユーザー情報を各地の会員会社に送信している。見込み客の獲得が難しいという声を反映し、こういった取り組みを開始した。また、直営と加盟の両店が行う施工と中古住宅仲介の収益モデルは、高単価な案件を無駄なくこなすことができるワークフローを意識し、請負粗利率35%、片手仲介の手数料3%という利益が大きい構造を構築した」と話す。
この他、意匠を凝らした建材を3000品目以上そろえるECサイト「HAGS」を開設している。HAGSは、販売する建設部材と、和久環組が有する改修工事の実例とをひもづけることで、クライアントに活用方法を提案している。また、リノベ不動産加盟企業、法人会員には価格割引の特典を付与し、各サービスへの加入を後押しする構造だ。
2022年内に、リノベ不動産は全国で加盟企業500社を目指し、HAGSは3万法人の会員登録を目標としている。
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