野村不動産がハイブリッド型分譲マンション「プラウド上原フォレスト」の棟内専攻ルームを公開。築年数の経過したマンションにおける長期優良住宅認定の取得や65年の残存耐用年数証明など、「価値ある物は長く遺す」を追求した意欲的な物件として注目を集めそうだ。
野村不動産は2019年5月28日、「プラウド上原フォレスト」の棟内専攻ルームを公開すると発表した。プラウド上原フォレストは、同社が取得した渋谷区上原のビンテージマンション「エリーゼアパートメント」をリノベーションし、居住性能を向上させつつ余剰容積活用による増築を可能にしたハイブリッド型マンション。「価値あるものは長く遺す」を追求した物件として、国内外の富裕層に評価されることを目指したという。
エリーゼアパートメントは1984年に外国人向け高級マンションとして建設された。歳月を重ねたビンテージマンションならではの風格と趣を生かすため、プラウド上原フォレストでは、最新のリノベーション技術を活用。住居としての安心・安全対策と居住空間の自由度や快適度を併存させることに成功した。
プラウド上原フォレストの安心・安全対策として、既存建物をスケルトンにし、コンクリートの中性化の進行具合とかぶり厚(コンクリート面から鉄筋までの最小距離)を現地調査した。将来の中性化進行予測値から残存耐用年数を再計算した結果、第三者評価機関から耐用年数65年の評価書が交付されている。また、「劣化対策等級3」や「断熱等性能等級4」などの基準に適合したことで、長期優良住宅の認証も取得。築年数が経過したマンションにおける長期優良住宅の認証取得は、民間デベロッパーとしては初となる。
竹中工務店のタイル再生技術「モルトール」を民間デベロッパーとして初めて採用した。重要文化財の修復に利用されることもあるモルトールは、既存建物の色合いや風合いを生かしつつタイルを再利用できるのが特長だ。
他にも、水廻りのレイアウトの自由度を高めるサイホン排水システム「ミライフル」の採用や、敷地内に遺る渋谷区指定保存樹を生かした景観整備など、既存建物の価値を損なわずにリノベーションするために技術と法律の両面に配慮されている。
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