A0ノビ対応の中位機種「HP DesignJet T1600」4モデルと、「HP DesignJet T2600 MFP」は、A1サイズCAD図面で毎時180枚までプリント速度がアップ。ロール紙を2本セットできるダブルロールに応じ、前面からロール紙をセットする“フロントローディング方式”のため、用紙切り替えの負荷や印刷時間の削減がもたらされる。プリント後にも、A4からA0まで最大100枚をページ順にスタック可能で、並び替えの手間も解消されている。
プリント、スキャン、コピーを1台でカバーするマルチファンクション(MFP)モデルのT2600は、ノートPCと同程度の15.6インチ大画面タッチスクリーンを装備。直感的に操作できるインタフェースで、誰でも扱いやすくデジタル編集がしやすい。
HP DesignJet Tシリーズのハイエンド機HP DesignJet XL 3600 MFPは、消費電力が少なく、起動時間も最速29秒と短い。急な出力案件が舞い込んでも、即応じられる。プリンタの大きさも旧モデルよりコンパクトで、背面に凹凸が無く、壁付けでの設置など、置き場所の自由度が高いのが特長だ。
今回の新機種リリースに伴い、現行機含めたHP DesignJetシリーズ共通で、ワンクリックでPDFなどがプリント可能な「HP Click」、スマートフォンやタブレットからWi-Fiを介してリモートで多彩な操作が行える「HP Smart」、ポスター制作用の「HP Posters」といったアプリケーションが無償で提供される。
なかでも、他社との差別化となるHP Clickは、複数ページや複数枚の複雑な図面やデータサイズの大きいPDFファイルでも、ドラッグ&ドロップだけでプリント。プレビュー機能では、事前に印刷状態を確認できるためミスを防げる。これまでは必須だったプリンタドライバーも不要となり、サイズ違いや回転方向などの失敗が起きにくく、図面の線抜けやデータ割れが生じやすかったPDFとの相性も良いというメリットがある。HP ClickはWindowsOS/macOSの各デバイスで動き、対応ファイルは、PDF、JPEG、TIFF、DWF、HP-GL/2など。
また、ミッドレンジ以上の機種では、起動時にBIOSの整合性を照合し、安全性を確保した「HP Secure Boot」や独自に認証したファームウェアのみを実行する「ホワイトリスティング」など、印刷物やデータ取り扱いのセキュリティ性も高めている。
DesignJet以外のラインアップでは、大量に図面や地図などを刷るボリュームユーザー向けの高速印刷機HP PageWide XLシリーズで、モノクロとカラーの2つの役割を1台でこなす「HP PageWide XL 3900 MFP」と、1分間にA1カラーを10枚印刷する「HP PageWide XL 4100」シリーズが登場した。
テクニカルプリンタのシリーズ拡充を機に日本HPでは、パートナー企業を対象にした「HP DesignJet 新製品 令和元年ロードショー」を全国各地で展開。2019年6月14日の東京開催では、日本HP本社で多数の実機が展示された。
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