トプコンは、自動追尾トータルステーションに通信機能を組み合わせた「杭ナビ(LN-100)」に、スマートグラスをオプションで加えた「杭ナビVision」を発売した。
トプコンは、「1人で誰でも簡単に」のコンセプトで、現場の杭打ち作業を劇的に効率化させたレイアウトナビゲーター「LN-100(通称:杭ナビ)」に、スマートグラスを採用したウェアラブルシステム「杭ナビVision」を2019年4月に発売した。
杭ナビ(LN-100)は、自動追尾型のトータルステーションに、無線LANやBluetooth(LN-100W)の通信モジュールを搭載したレイアウトナビゲーター。電源を入れるだけで機器が自動整準を行い、面倒なネジ式の整準作業は不要。直径200メートル、高低差±10メートルの作業エリアをカバーし、土木の杭打ち作業に十分なエリアを確保している。
操作は、ワイヤレスLANでつなぐAndroid端末をコントローラーとして使用し、端末用のホルダーを活用すると杭打ち時に両手が使える。ソフトウェア「TopLayout」はGoogle Playからダウンロードでき、座標データのやりとりにはPCからのダウンロードに加え、メールやクラウドも利用可能だ。
杭や鋲の設置、検測という杭打ち作業の一連の流れに最適なアルゴリズムを採用している。プリズムをロストしても自動で再ロックし、本体のステータスを気にすることなく必要な時に座標データが得られる。
今回、追加したスマートグラスは、ウエストユニティス製「InfoLinker」。スマートグラス用アプリ「杭ナビVision」で、操作画面を表示し、杭打ち点への誘導画面や測定した座標値は、目の前にあるグラス上にリアルタイムで映し出される。正確で繊細なプリズム移動を素早く行えることで、杭打ち作業のスピードアップにつながる。さらに音声コマンドで操作ができるため、すぐに次の作業へ移れる利点もある。
コントローラーのAndroid端末とは、Bluetoothクラス1で接続。コントローラー操作が不要なため、スマートフォンはポケットに入れたままでよく、プリズムを両手で持つことができる。
杭打ちの手順としては、ガイドラインの指示に従って、LN-100の正面(杭打ちライン)に立つ。杭打ちのライン上に入ると、LN-100が自動で作業員が手に持ったプリズムを追尾する。スマートグラスに円形のレーダーで表示される杭ナビVisionの誘導で、杭打ち点に移動。「クイナビ ケッテイ」の音声で実測値を記録し、次の杭打ち点に自動的に旋回するという流れ。
現場での作業後には、杭ナビVisionが付属している専用ソフトウェア「杭ナビ帳票」と連動しているため、帳票を作成し、メールで事務所へ即座に送信することができる。
杭ナビVisionによって見込めるメリットとしては、LN-100の活用で生産性が2人作業から1人作業へと2倍になり、さらに杭ナビVisionによって、LN-100を使った杭打ち作業に比べ、約25%の作業効率の向上が見込める。
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