本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、文部科学省の「学校基本調査」から人手不足が深刻化している建設技術者の採用にとって大きなポイントになる、大学、大学院の新卒採用の動向についてみる。
本稿では、文部科学省の「学校基本調査」から人手不足が深刻化している建設技術者の採用にとって大きなポイントになる、大学、大学院の新卒採用の動向についてまとめた。
まず、建設技術者として就職する人たちの中心になる「土木建築工学」を専攻した大学卒業生数の推移を見ると、2012年度の1万3128人から2013年度には1万2492人に減少。その後、ほぼ横ばいで推移したが、2016年度以降は微増傾向となり、2018年度は1万3018人(2012年度比99.2%)となった(図表1参照)。2018年度の男女別の内訳は男性1万482人、女性2536人となっており、卒業生に占める女性の割合は、2014年度の16.4%から2018年度には19.5%に上昇している。
次に、専攻分野に関わらず大学新卒で建築・土木・測量技術者として就職した人の推移を見ると、2012年度の8213人から増加が続き、2018年度には1万2620人(2012年度比153.7%)となった(図表2参照)。土木建築工学を専攻した大学卒業生数が伸び悩む中、このように建築・土木・測量技術者として就職する人が増え続けているのは、建設業各社が他学部の卒業生も含めて、強力にリクルート活動を行った結果だと思われる。
男女別に見ると、女性が2012年度の1268人から2018年度には2714人(2012年度比214%)へと2倍以上に増加し、女性の占める割合は2012年度の15.4%から2018年度には21.5%に上昇している。
大学院で修士課程を修了した卒業生数の推移を見ると、2012年度の3549人から増減を繰り返しながら、2018年度には3228人(2012年度比91.0%)となっている(図表3参照)。
2018年度の男女別の内訳は男性2518人、女性710人となっており、卒業生に占める女性の割合は2012年度の19.2%から2018年度には22.0%にまで上昇している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.