富士ゼロックスは、建設現場の働き方改革を支援するサービスの提供を開始した。同社の複合機を活用し、クラウドストレージ「Working Folder」とデータ処理サービス「かんたんデータエントリサービス」を連携させたもので、データ入力や書類作成に関わる業務を簡略化させる。既に西松建設の現場に導入され、データ入力や書類作成の業務で35%が削減されたという。
富士ゼロックスは、建設現場の働き方改革を支援するサービスの提供を開始した。建設現場に設置してある同社の複合機で書類をスキャンしてクラウドに送り、富士ゼロックスのセンターで電子データ化する。建設会社の本部などに、データとして納品され、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用して、本部の基幹システムなどに自動で分別して登録されるまでが一連の流れ。
新サービスは、例えば就労管理日報では、複合機でスキャンして複合機からタッチパネルで、またはPCに保存した現場の画像はPCから、それぞれクラウドのWorking Folder経由でサービスセンターに送ると、センターでは自動とオペレーターによる手動を組み合わせて、必要な情報を抽出。所定のフォーマットにデータを記入して電子化し、クラウド上に格納することで、現場の事務業務が削減される。
既に西松建設は、サービスを活用し、建設現場における就労管理や工事写真整理、伝票整理といった書類作成に関連する業務を約35%削減させる成果を得た。また、富士ゼロックスは同時に、複合機の運用管理サービスも提供し、業務負担を軽減。複合機の運用管理では、新規・閉鎖作業所への機器手配や設置、撤収の他、専用ヘルプデスクによる問い合わせ対応、稼働状況のモニタリングなどを行う。
近年の建設業界では、将来的な人材不足に直面するとともに、「QCDSE(Quality、Cost、Delivery、Safety、Environment)」の維持向上と、業務の効率化・時間外労働の削減などをともに進める「働き方改革」が求められている。
一方、現場では工事の進捗管理や品質担保のため、作成・保存する書類が増え、就労管理や伝票といった手書きで変更を追記する作業も多くなっている。そのため、技術者がこうした事務作業に時間を取られ、所長がサポートする事態も発生しており、所長や技術者の事務的な業務時間を短縮し、工事の進行管理、作業工程の検討、安全確認といった本来の業務に集中して、効率の良い働き方をすることが課題となっている。
西松建設は、こうした課題を解決し、モノづくりの魅力をより高めるために、2017年7月から現場業務改善プロジェクトをスタート。その一環として、新サービス導入後には、本社管理部門もクラウド上で現場の進捗チェックが随時可能となった。富士ゼロックスのセンターが就労管理日報から月報を作成するなどして、現場の事務業務が約35%低減されたという。
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