大和ハウスの「D's BIM」顧客満足度と働き方改革で、2020年に“全物件のBIM移行”を目指す : BIM (3/3 ページ)
これまでのBIMの取り組みでは、「確認申請」「構造計算データと構造モデルの連携」「設計と工場のBIM連携」「ジェネレーティブデザイン」の4つの事例を披露した。
このうち、BIM確認申請では、2018年下期で5件の認可を受け、2019年上期には16件で申請する予定。既に認可を受けた案件では、3つの日本初の取り組みがあった。構造のReviデータでの確認申請をはじめ、意匠・構造・設備ともにRevitでデータを作り、特に設備で行ったのはこれまでに無いケースだった。さらに構造適合性判定は日本建築センターに申請し、構造適合性判定までの認可を受けた。今後は、省エネ適判、検査、消防でもBIMへの移行を検討している。
BIM確認申請の実績
手間のかかる構造計算と構造図の不整合の確認方法も、効率化させている。一貫構造計算ソフトウェア「BUS-6」とRevitを、構造システムのオプションプログラム「+Revit Op.」で連携させ、Revit上では、計算モデルと構造モデルを目視で確認。さらにRevitからExcelに出力し、目視で分からない鉄骨のサイズや梁(はり)符号などの整合性を図っている。
構造モデルのデータ確認のデモ、下図の整合性が取れていない部分は青く表示される
構造計算データと構造モデルのExcelでの確認。Revitから自社開発アドオンでExcel出力
設計と住宅工場とのBIM連携では、全ての住宅工場に導入されているデータロジック社の「S/F REAL4」と、ベースになるRevitで作成した構造設計モデルをダイレクトにリンクさせる試み。設計情報を製作情報に連携することで、1から図面を作らずに、工場で鉄骨の工作機械にRevitデータを持ち込んで製作できる。設計の次工程での二重化作業が無くなり、設計→工場→モノづくりとデータが一元化される。
設計と工場とのBIM連携
集合住宅のジェネレーティブデザインの取り組みでは、オートデスクの最新技術を用い、最適設計を省人化で実施。敷地や法規、建物の条件を入力すると、計画案を何万通りも自動的に提案。デザイン形状や環境、コストといったさまざまな評価までが行われ、より有効な土地の活用方法などに生かせるメリットがもたらされ、既に建築でも採用を始めているという。
伊藤氏は最後に、「顧客満足度の向上と働き方改革のために、オートデスクの協力を得ながら、BIMによって業務の在り方を全く変えていく」とまとめた。
集合住宅でのジェネレーティブデザイン
“10兆円企業”を目指す大和ハウス工業が成長基盤と位置付けるBIMへの取り組み
大和ハウス工業は、大成建設のBIM(Building Information Modeling)アプリケーション「T-REX」をカスタマイズし、自社の既存テンプレートから全面移行した。これにより、意匠・構造・設備がAutodesk Revitで連携する一気通貫の体制を整えることに成功している。最近の成果として、日本ERIの協力のもと、Revitで作成したBIMモデルによる建築確認申請を実現したという。
構造部門で初の“BIMによる確認申請”、大和ハウス工業が実現できた2つのポイント
BIM(Building Information Modeling)元年から2018年で11年が経過し、国内でもBIMによる確認申請が一部で始まっている。大和ハウス工業は、社内で構造BIMの作業フローの統一的な基準を定め、構造部門で初の試みとなるBIMによる確認申請を行った。構造BIMで確認申請するためのカギや構造BIMで何が変わるのか、大和ハウス工業の講演から読み解く。
BIMと一貫構造計算ソフトのデータ連携「+Revit Op.」は何が新しいのか?
一貫構造計算ソフトとBIMソフト間のデータ連携は、メーカーの努力によって、最近では一定の成果を上げている。しかし、運用形態は構造計算者の求めるレベルにはまだ達していない。構造システムでは、双方のソフトをリンクさせ、建物データの整合性を確保できる連携ソフト「+Revit Op.」を開発した。
BIMに特化したドキュメント管理を実現、オートデスクが「Docs」を発売
オートデスクは建設プロジェクトで使われる2D/3Dデータや設計図書の管理・保存、共有や編集などの作業の効率化に貢献するクラウドサービス「Autodesk BIM 360 Docs」の販売を開始した。
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