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» 2019年03月19日 07時00分 公開

超軽量な吊り天井システムに照明設備をパッケージ化、一般的な居室にも適用可能に

鹿島建設は、吊り天井システム「セーフティ・ダイア-K」の仕様を見直し、照明設備をパッケージした天井システムとして、オフィスや作業室などの一般的な居室にも適用範囲を拡大させた。

[BUILT]

 鹿島建設は、2017年に開発した超軽量かつ脱落しにくい構造で、地震時に重大な人的被害の回避が期待できる吊(つ)り天井システム「セーフティ・ダイア-K」をより使いやすくするため、必要な設備を最適に耐震性を高く設置できる仕様とした。これにより、セーフティ・ダイア-Kは、安全性はそのままに、設備をパッケージ化した天井システムへとバージョンアップ。

部材同士の衝突を防ぎ、地震による天井被害が飛躍的に軽減

 セーフティ・ダイア-Kは、帝人フロンティアの超軽量な天井面材「かるてん」の採用に加え、吊り天井の下地材(野縁・野縁受け)をダイア状の専用金物でバランスよく結合しながら数量を削減し、1m2(平方メートル)あたり2kg(キロ)以下という重量を達成した超軽量な吊り天井システム。

設備をパッケージした「セーフティ・ダイア-K」と照明専用下地「セーフティ・ウェイ」(オレンジ色)

 通常、一般的な居室の天井には照明、空調などの設備機器、さらには自動火災報知機や排煙口、スプリンクラーといった防災機器の設置が必要だが、これまでの軽量な吊り天井システムでは、こうした設備を設置するための明確な仕様が無かった。

 そこで鹿島建設は、セーフティ・ダイア-Kの汎用性をさらに高めるべく、オフィスや作業室など一般的な居室に必要とされる設備を最適に設置する仕様を開発し、その安全性を確認した。

 今回開発した設置仕様(フローティングシステム)は、設備機器とセーフティ・ダイア-Kとの関係性を切った状態で、別の架構で支持。過去の震災では、吊っている設備と天井では揺れの質が異なり、部材同士の衝突による天井面材の連鎖的な破壊被害が起きていたが、フローティングシステムであれば、この天井被害が飛躍的に軽減される。

3次元振動台「W-DECKER」による加振実験

 新仕様に合わせ、セーフティ・ダイア-Kに、照明設備を合理的に設置するため、専用の下地「セーフティ・ウェイ」を新開発。これは、配線がスマートに収まる軽量な連続下地システムで、天井とは別架構のブレースにより耐震化され、フローティングシステムで照明器具を固定する。セーフティ・ウェイは、アウトレットモールやフードホールなど、天井のない(直天井)空間への照明設置にも適用でき、施工の合理化、ローコスト化につながる。現在、パナソニック、コイズミ照明の2社の照明がセーフティ・ウェイに対応しているという。

パッケージ化された照明設備

 セーフティ・ダイア-Kの設備フローティングシステムは、鹿島技術研究所が保有する3次元振動台「W-DECKER(ダブルデッカー)」による加振実験を行った結果、告示波(L2)の4倍の振動に対しても十分な耐久性が認められ、従前と同様の安全性が確認された。

 鹿島建設は、今回のバージョンアップを踏まえ、安全性、施工性、経済性に優れたセーフティ・ダイア-Kとセーフティ・ウェイを、生産・物流・商業施設といった、特定天井に該当する大空間でありながらも、執務や作業が必要な空間に提案していき、BCP対策に向けたリニューアル市場にも積極的に展開していく。

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