オートデスク代表取締役社長の織田浩義氏は、「設計で3次元データを作っても、施工段階で作り直してしまうことは多々ある。3次元データをトータルで使えることを目指したい。サービスは、互いの製品を一体的に提供するだけでなく、これまでに両社が培ってきたノウハウを一般化して、実務に適用できる“トレーニングプログラム”を開発し、トプコンのトレーニングセンター4拠点(東京、福島、神戸、福岡)と販売店を通じて行う」。
「建設業の大手ゼネコンなら自力でも、BIM活用を達成できるが、地方の中小建設会社もサポートすることで、あと5年で実現しなければいけない、20%以上の生産性向上を実現させる“スピード確保”と、建設業に携わる“あらゆる層”がBIM/CIMのメリットを享受できるようにしていきたい」と今後の展開を示した。
また、織田氏は発表会で、両社のソリューションが適用された事例を紹介。名古屋の矢作建設工業は、トプコンのレイアウトナビゲーター「LN-100」とオートデスク「AECコレクション」「Point Layout」「BIM 360 Glue/Layout」を採用して、3000箇所の3次元墨出しを物流倉庫斜路の施工管理で行った。
これまでの人の手による墨出しでは、時間と手間がかかっていたが、Revitで作成した施工図のBIMモデルを用いることで、3人の作業が1人で実現。1ポイント当たりの作業時間が30秒で済み、2次元施工図面も不要になるメリットがもたらされた。
同様のソフトとハードを導入した東急建設による渋谷区再開発の地下地盤改良現場では、Navisworksで地下構造物が見える化。Point Layoutシステムでは、地盤高の変更に伴う再計算の測量や手測量が要らなくなり、2人で行っていた作業が1人で完結し、作業時間が半減。最適な条件下では現場負担は4分の1まで低減された。
また、大分県中津市の地方中小建設会社「川原建設」は、人材不足に対する対応策として、3次元データ収集ソリューションを採り入れた。点群とBIM/CIMモデルで、問題の見える化、住民説明への活用、設計査証時間を2割短縮、手戻りゼロになるなど、工事全体の作業効率が10%アップする結果になったという。
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