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» 2019年02月06日 08時00分 公開

ドローン:陸と水中を面的に計測するドローン搭載可能な「グリーンレーザースキャナー」を国内初実用化 (1/2)

パスコとアミューズワンセルフは、陸上と水中を面的に計測するグリーンレーザースキャナーの実用化に成功した。グリーンレーザースキャナーは、国内初の地上と水底を面的に計測可能なドローン搭載型のシステム。洪水発生時には、これまでは路面が乾くのを待つしかなかったが、全天候型ドローンに搭載すれば、被災中の状況把握も可能となる。

[石原忍,BUILT]

 パスコとアミューズワンセルフは、2017年4月から共同研究を進めてきた陸上と水底の反射波の識別が可能で、ドローンに搭載できる「グリーンレーザースキャナー」の実用化に2019年2月4日、成功したことを明らかにした。

 グリーンレーザースキャナーの最大のメリットは、水面下をスキャンニングできること。従来の近赤外線レーザーでは、ぬれた地面や黒い対象物を計測することはできなかった。ドローンに搭載したグリーンレーザースキャナーであれば、豪雨や台風などの被災場所で、雨や氾濫した河川にぬれた地形や地物を計測することが可能になる。さらに全天候型ドローンを飛ばせば、悪天候の中で、洪水が発生している河川の状況を確認することも実現する。

河川管理の高度化・高精度化と災害時の迅速な対応が実現

 グリーンレーザースキャナーは、国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 河川保全企画室が民間企業とともに進めてきた「革新的河川管理プロジェクト(第1弾)」のうち、「陸上・水中レーザードローン」の開発プロジェクト。

 このプロジェクトでは、航空レーザー測量システムをドローン搭載用に大幅に小型化すること、植生下の地表を平面的に測量できること、ぬれた部分や水面下の地形を平面的に測量できることなどが求められていた。

 従来の測量で一般的だった“航空測量”は、取得する3次元データが建物や樹木を含んだ数値表層モデルであることや精度が調整用基準点の配置数に依存するといった課題点があった。

 また、ドーロン搭載用に小型軽量のものが既に製品化されている“近赤外線レーザースキャナー”は、ぬれた地面や水中のデータ取得はできない。その点、グリーンレーザーは色調による反射強度の低下がなく、水部も透過可能で、データを取得できる領域も広いとされている。

 今回、両者による開発で、これまで航空機に搭載していたグリーンレーザーを大幅に小型化・軽量化したことで、ドローンへと搭載することができるようになった。

ドローンに搭載可能な「グリーンレーザースキャナー」 提供:パスコ

 国土交通省では、この成果を受け、洪水による被災箇所など限定的な範囲を迅速かつ効率的に、陸上・水中を問わず3次元で計測することが可能になり、維持管理の高度化・高精度化が図れるようになったとしている。また、小型・軽量化で持ち運びが容易となり、被災地域への支援などにも有効として、順次、各地方整備局などで実装していく考えを示している。

 プロジェクトでは、アミューズワンセルフはドローンに積載可能なレーザー計測システム、パスコは河川管理に必要なレーザー計測のスペックと取得データの編集・解析が可能なソフトウェアの開発をそれぞれ担当した。

「グリーンレーザースキャナー」の河川での計測結果。陸上・水中の3次元計測により、河川を面的に捉えられる 提供:パスコ
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