施設間の競争勃発!?熱気を帯びる「天神ビッグバン」再開発(2/3 ページ)

» 2019年01月29日 06時00分 公開
[谷川整BUILT]

高級ホテルブランドの「ザ・リッツ・カールトン」を誘致

 幅約100m、奥行き約80m、高さ約96mという規模感を生かし、多様な用途を導入することで、多くの人が行きかい、交流できる場を創出する。スカイロビーは九州最大級を計画している。さらに「福岡の新たなランドマークとなる建築デザイン」を掲げ、日本の伝統的な模様や西鉄らしさを生かした視覚・造形面にも配慮している。

 事業スケジュールは、2019年4月に福ビル、2020年4月に天神コアビルの解体に着手する。2023年12月に完成、2024春の開業を目指す。

 天神の西の玄関口にあたる「旧大名小学校跡地」の利活用事業も動き出した。2018年9月28日、再開発に向けた事業契約が市と「大名プロジェクト特定目的会社(SPC)」との間で取り交わされた。SPCは、積水ハウス、西日本鉄道、西部瓦斯、西日本新聞社、福岡商事が参加。土地の一時貸借と定期借地権契約により、複合ビルなどを建設・一部維持運営する。

 跡地の所在地は、福岡市中央区大名二丁目165番1および165番2の敷地面積約11.8ha(ヘクタール)。敷地には、オフィス・ホテル棟(地上24階、高さ約110m)や立体駐車場(高さ約38m)の他、コミュニティー棟(地上12階、高さ約45m)、消防分団車庫(平屋)、イベントホール(平屋)などの公共施設を整備する。容積対象床面積は7万9260m2。

このうちSPCが維持運営を行うオフィス・ホテル棟には、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」を誘致する。主な階の構成は、1・2階に商業店舗、3階にホテル関連室、3・4階にカンファレンス、3・5〜16階にオフィス、17〜24階にホテルが入居する。ホテルは客室面積50m2で、約160室を想定している。

大名小跡地再開発のオフィス・ホテル棟の各階構成 出典:福岡市

 オフィスは、ワンフロア最大貸付面積を2500m2とする。高いセキュリティとBCPに対応し、コワーキングスペースなどを配置して、スタートアップ支援施設と連携することで、国内外の大企業からベンチャーが集うグローバル産業都市の新たな拠点「Daimyo Garden Square(ダイミョウガーデンスクエア)」を事業コンセプトに掲げる。

 事業スケジュールでは、2019年6月に土地の一時貸借契約により、建設工事に着手する予定だ。その後、2022年12月から2092年12月までの70年間の定期借地権契約を取り交わし、施設の運営などを行う。施設は2021年秋以降、順次供用を始める。

大名小跡地再開発の完成予想図1 出典:福岡市
大名小跡地再開発の完成予想図2 出典:福岡市
大名小跡地再開発の完成予想図3 出典:福岡市

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