テラドローンは、早稲田大学と共同開発を行った「Terra Lidar」(テラライダー)の提供を開始した。Terra Lidarは導入コストを最大1/2にまで抑えつつ、400点/m2の高精度レーザー測量が可能になる。
テラドローンは、早稲田大学と共同開発した「Terra Lidar」(テラライダー)の提供を開始した。
テラドローンは、UAVレーザの高価格の原因となっていた機体の姿勢推定”を担うIMUを、高精度の位置推定を行う多周波GNSSアンテナの独自システムで代替し、大幅な価格ダウンを実現した「Terra Lidar」の提供を開始した。
Terra Lidarの独自システムは、機体の端部に搭載された6つのGNSSで構成する。これまでのUAVレーザーのシステムは、「IMU/2周波GNSS複合」によって、レーザの位置・姿勢を算出をしていたが、システム価格の大半を占めるほどに高価なことがネックだった。
これを複数の安価な「1周波GNSS」と、地上基地局を用いた「キネマティクス測位」に置き換ることで、6個のアンテナ位置を高精度に算出。同時に、3点の高精度な位置が成す平面から、正しい機体の姿勢も割り出す。位置・姿勢とも複数情報の平均をとることで、低価格化での3次元データ取得が可能になった。
Terra Lidarは、IMUを使用しないため、計測前後にIMU初期化のために行う、8の字を描くキャリブレーション飛行が不要なメリットもある。飛行回数が減ることにより、フライト時間・バッテリーの節約につながり、計測作業の効率化が見込める他、経験の浅いドローンオペレータでも、安定した精度の成果物を生成できる。
計測精度は、cm(センチ)精度で測位する1周波アンテナを複数使用し、平均をとることで、より精度の良い位置・姿勢を推定する。1つのアンテナでは失敗するケースでも、複数のGNSSアンテナが組み合わさっていることで、より正確なレーザー測量が可能だ。取得点群数は、およそ1m2(平方メートル)あたり約400点。
主な用途としては、大規模造成地の現況測量や電力線や鉄塔などの公共設備の保守管理、土砂災害の土の流入量計算など。Terra Lidarを用いる事で、最近注目度の高い、植生下の測量にも活用が期待できる。
Terra Lidarの導入ユーザーには、導入安全講習、運用中のデータ解析・本製品の年間保守管理サポートを提供する。データ解析では、フライトで取得したデータは、テラドローンのソフトウェアにアップロードすることで、一括で自動処理を行う。オーダーに応じて、グランドデータ・等高線など、必要な形での加工も行う。
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