実験会場となったのは、カーペットが敷かれたオフィスの廊下。Whizは乾式のゴミを吸い取るバキューム型のため、先行販売した水を噴射する「RS26」と異なり、カーペットやフローリングの床向き。実際の操作手順は、最初に壁などに貼ったバーコードで、スタート位置をカメラで読み取り、その後、人の手で押して大まかな走行ルートを記憶(ティーチング)させる。
その間、Whizはレーザーを照射して、壁や障害物などを捕捉し、ルートを作成。後はボタンを押すだけで、自動でルート上を走り、ふいに人が現れた場合は、一度立ち止まって、右に避けるか左に避けるかを自動計算して回避しする。
設定にあたっては、メーカーのスタッフが現場に出向いてPCをつないで特別な設定する必要もなく、誰でも手押しでルート設定するだけ。1時間でおよそ500m2(平方メートル)の清掃範囲をカバーし、最大3時間稼働で1500m2の清掃を自動で行う。
ソフトバンクロボティクス 事業推進本部 事業推進統括部 モビリティ事業推進部・小暮武男氏は、WhizのAIについて、「Brain OSにはSIMが搭載され、国内外で稼働している機体の走行データが、4G LTE通信を介してクラウドにアップし、日々蓄積されている。米・ウォルマートでは2018年におよそ数百台が納入されたと聞くRS26に加え、これから国外での販売がスタートするWhizの両機共通で、蓄えられたデータを基に、数カ月に1度アップデートが行われる。そのたびに、障害物回避やルート作成の精度は向上していく。今後は、ソフトウェアは自動で改善されていくので、ハード面における清掃のプロのリクエスト、例えばRS26のホースを柔らかくして欲しいなどの要望をヒアリングしつつ応えていきたい」とコメント。
Whizの実験後には、場所を変えて、フロア中央の共用廊下で、警備ロボット「SQ2」の解説が行われた。
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