ニュース
» 2018年12月17日 06時00分 公開

ICT検査技術:作業時間を3割減、排水管の通水検査に“ビーコン”とタブレットを活用

前田建設工業は、ビーコン(Beacon)とタブレット端末を活用した配管の検査システムを開発し、実用化した。取得したデータの計測は、自動で報告書としてまとめられるため、記録者は要らず、検査業務にかかる時間がおおよそ30%削減される。

[BUILT]

 前田建設工業は、マンションの竣工時に行われる排水管の通水検査に、小型発信機(ビーコン)とタブレット端末を導入した新たな配管の検査システムを開発した。新たな検査方法では、作業時間にかかる労力・時間、コストの大幅削減が見込める。

検査結果の報告書はPDF形式で自動作成

 集合住宅が竣工した際に行われる排水管の検査は、接続系統の間違いや接続部の水勾配の不具合などを確認するために通水検査を実施。これまでの通水検査では、住戸内の排水箇所(キッチン、トイレ、洗濯パンなど)からタオルやボールなどの試験体を流し、最終排水桝などに流れつくまでの時間を計測・記録し、最後に記録者が報告書としてまとめていた。

 開発した「排水管通水検査システム」は、検査現場では、試験体の代わりにビーコンを取り付けた布片と、タブレット端末を利用して行う。ビーコン自体に搭載されている固有識別機能を利用して、非接触で試験体の投入・回収時刻や投入箇所などを記録。その後の検査結果のまとめや報告書の作成も自動化されている。ビーコンから取得した投入・回収時刻をもとに、所要時間を自動計算し、検査記録は指定の書式でPDF化される。

システム概念図

 ビーコンからのデータはクラウドサーバに上がり、タブレット端末に表示される。そのため、試験体はを一度に複数の場所から投入しても、遠隔から複数物件の検査状況を確認することができる。

 排水管通水検査システムにより、検査作業全体で従来方法では1回5分かかっていたが3.5分程度で済み、検査時間の約3割削減が見込める。検査工数が減るだけでなく、人為的なミスも防げる。さらに報告書がPDFで出力されるため、データの改ざんも防止。また、試験体が排水管の中で滞留してしまっても、電波を受信することで容易に探索も行える。

検査作業フローの比較

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.