日本躯体処理は凸版印刷と共同で、強アルカリ液の流出防止効果と高い施工性を併せ持つ、EVAフィルムを基材とした“デッキプレート工法”向けの防水テープ「DJテープ」を開発した。
日本躯体処理は凸版印刷と共同で、デッキプレート工法でコンクリート打設時に漏れ出る強アルカリ液の流出を防ぐ防水テープ「DJテープ」を開発した。建設業界や不動産デベロッパーに向け、2018年12月中旬から販売を開始する。
DJテープは、凸版印刷が独自の材料設計技術を用いてエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)樹脂から生成したEVAフィルムを基材に活用し、日本躯体処理の施工ノウハウをベースに設計・開発。物流倉庫や立体駐車場などのデッキプレート工事時に、柱や梁(はり)の接合部の隙間に貼る「目止め」としての用途を見込んでいる。
開発意図としては、EC市場の急激な成長で、物流倉庫の需要が増加しており、こうした施設の建築現場での業務負荷や工員不足といった課題を解決することがねらいにある。物流倉庫に多く使われるデッキプレート工法は、角波形に成形した薄くて幅広の鋼材の上に、コンクリートを打設する工法。打設時にプレートの接合部の隙間から、強アルカリ液が漏れ出るのを防ぐため、布製のガムテープで「目止め」が行われていたが、剥がれやすく、穴が空くことも多かった。そのため、近年ではガムテープの上から、ポリマーセメントを塗布するなどの代替工法で対応しているが、これでは工程が増加するため作業負荷がかかってしまう。
開発したDJテープは、コンクリート打設時に漏れ出る強アルカリ液の流出を抑え、コンクリートの劣化やデッキプレートの下層構造物の腐食を防止する。破れにくく手で簡単に切れる作業性の高い仕様のため、ガムテープの上からポリマーセメントを塗布する手法と比較して、約40%の作業効率化が可能となり、工期短縮・労務負荷の軽減につながることも期待されている。
高い粘着力で作業中に剥がれないだけでなく、適度にコシもあり、目的の場所に貼りやすいなど、デッキプレート工法に最適な製品設計となっている。
強アルカリ液への耐性が高いEVAフィルムを用いることで、ガムテープと比較して、強アルカリ液によるコンクリートの劣化(ジャンカ)やデッキプレートの下層構造物の腐食をより強固に防止する。
施工面では、デッキプレートの柱や梁の接合部に貼るだけで目止めができるため、ガムテープの上からポリマーセメントを塗布する従来方法と比べ、約40%の工期短縮が可能となる。
日本躯体処理は、物流施設以外にも、ショッピングセンター、商業ビルなどへ拡販し、2020年度までに約3億円の売上を目標としている。
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