アイエイチプランニングと竹腰永井建設が“砂防設備管理”でドローン活用のプロジェクト開始ドローン点検(2/2 ページ)

» 2018年11月29日 12時00分 公開
[村上浩史BUILT]
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現地作業前に岩盤崩落などの危険箇所を発見

 さらに、砂防堰堤(えんてい)工事周辺の高所岩盤部分をドローンで上空から観察したところ、岩盤部分に大きな亀裂を確認。現地作業に入る前に、岩盤崩落の恐れがある場所を察知することで、安全対策を講じることにもつなげられる。

岩盤部分の大きな亀裂 提供:アイエイチプランニング

 アイエイチプランニングは、法面施工後の経過観察においても、可視・赤外線カメラを同時搭載したドローンにより、効率的に維持・管理が行えるとしている。今後は今回行った実績を踏まえて、引き続き砂防管理エリアでの現状把握の検証を重ね、国内の他の砂防管理エリアにも適用していく。

 一方、竹腰永井建設では、2018年に砂防/治山/山腹工事などのICT化が、国土交通省の推進する「革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」および中小企業庁の「ものづくり技術」に採択されている。公共事業では、国土交通省主導により石川県でも一部で試行的に行われるようになったICT化だが、急峻(きゅうしゅん)な地形・立木/岩盤/転石などの障害が多く、衛星感度も低い砂防工事ではこれまでICT化は難しいといわれていた。

 しかし同社では、50年以上に渡って砂防/治山/山腹工事に携わってきた経験と、高い技術力を生かし、ドローンによる測量や3次元データの活用、ICT建設機械での施工に積極的に取り組み、一層の安全性強化と生産性の向上を図っていくとしている。

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