スマートスケープの3D PDF作成ツール「建設業向け3D PDF製品シリーズ」は、2018年10月末時点で導入企業が累計100社を突破した。近年のi-Construction推進により、土木インフラ分野で3DスキャニングやCIMモデルの普及がさらに見込まれるため、点群データへの対応やCIMソフトウェア「Autodesk Civil 3D」の取り込みなどの機能を拡充して、今後2年間でサブスクリプション契約数を3倍にまで拡大を目指す。
スマートスケープは、3DモデルのPDF変換ツール「建設業向け3D PDF製品シリーズ」が2015年9月に販売開始以来、導入企業が累計100社を突破したことを明らかにした。
建設業向け3D PDF製品シリーズは、国土交通省が推奨する「3次元モデル表記標準(案)」に対応した3D情報を含んだPDFファイルの作成ツール。建設業界で多く利用されているオートデスク社の「Autodesk Navisworks」および「Autodesk Revit」に対応。作成したBIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)モデルを直接PDF形式で出力できるプラグインと、オートデスクのDWGファイル形式をPDFに変換する製品をラインアップしている。
3D PDFはスマートスケープが定義する3D情報を含んだPDFファイルのこと。特別なファイル形式ではなく、無償のAdobe Acrobat Readerで閲覧、操作が可能なテキスト、画像などのPDFデータと同様に、3D情報も含めたPDFファイルを指す。
建設業界ではここ数年、BIMやCIMの広がりに伴い、企画、設計、施工、維持管理などさまざまな業務プロセスで3Dデータの利活用が広がっている。そのため、特別なソフトウェアをインストールすることなく、無償のAdobe Acrobat Readerで、3Dデータを手軽に閲覧したいというニーズは多い。これを受けて、スマートスケープでは、BIM/CIM用途でユーザーの多いオートデスク製品に対応した3DデータをPDFにコンバートする製品を開発した。
3D PDF製品シリーズは、RevitとNavisworksのアドインメニューから直接3D PDFを作成。ボタンクリック一つで、3Dモデル形状、色、プロパティ、ビューを正確にPDFへと変換する。
Autodesk DWGファイルに関しては、「DWG to 3D PDF Converter」で、標準的なPDFの他、3次元寸法付きの3Dモデル、詳細な2D図面と3Dモデルを重ねて閲覧できるPDFを作成することも可能だ。
セキュリティ面では、3D PDFを作成する際にパスワードを設定すれば知的財産を権限のある人のみ開くことができる他、タイムスタンプ、電子署名などの機能と組み合わせることで容易に第三者にはデータを読み取られない機能が搭載されている。
各製品の価格は、3D PDF for Navisworksと、3D PDF for Revitが2万4000円。DWG to 3D PDF Converterは3万6000円。全て年間のサブスクリプション契約となる。
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