ソフトバンクが2019年春にインフラ構造物のドローン点検に本格参入、米・5×5の技術をベースにドローン×インフラ点検

ソフトバンクは、インフラの老朽化対策として、ドローンによる社会インフラの保全を行う新サービスを開発し、2019年春から提供を開始する。

» 2018年11月14日 12時00分 公開
[BUILT]

 ソフトバンクは、橋梁(きょうりょう)や発電所、送電鉄塔、大型プラントなどインフラの老朽化対策として、ドローンによる社会インフラの保全を行う新サービスを開発し、2019年春から提供を開始する。

3DモデルとAI解析で、さびや亀裂などを自動検知

 日本の社会インフラは、竣工から50年以上が経過する構造物の割合が年々増加する一方で、保守点検要員のリソース不足などがネックとなり、定期的なメンテナンスとともに長期にわたって維持管理ができる効果的な対策が急務となっている。

 ソフトバンクは、ドローン技術を活用したインフラ保全サービスを開発するにあたり、米国「5×5 Technologies(ファイブバイファイブテクノロジーズ)」に2018年8月に約400万ドルを出資し、5×5が持つ技術の日本国内での独占使用権と販売権を取得した。5×5 Technologiesは、2016年に米国フロリダ州で設立。3Dモデリングや解析などの技術を用いて、携帯電話の基地局を点検するためのソリューションを北米の通信事業者向けに提供している。

携帯電話基地局のドローン撮影 出典:ソフトバンク

 また、同社は、ドローンによって撮影した画像と、高精度の位置情報をひも付けて、実測値との誤差がわずか数ミリの3次元モデルを生成する独自の技術を保有している。ソフトバンクはこの技術をベースに、日本市場のニーズに合わせたサービスを開発して新たに展開していく。

 点検手順としては、携帯電話基地局の場合、ドローンでまず空撮し、画像には高精度な位置情報を付与。3Dモデルを生成し、計測した画像からは、ゆがみや傾きを確認する。距離誤差は1〜5mm(ミリ)、角度誤差は0.04〜0.56度ほどだという。

撮影データから3Dモデルを生成 出典:ソフトバンク

 ソフトバンクでは、生成された高精度の3Dモデルとセンシングデータの解析AIを組み合わせることで、構造物のさびや亀裂、ボルトの緩み・欠落、内部欠陥などを自動で検知し、点検業務を効率化させることも視野に入れている。さらに、3Dモデルを活用したシミュレーションで、災害発生時の被害予測や予防保全の実現など、社会インフラの長期的、戦略的なメンテナンス計画の策定を支援するサービスの提供を目指す。

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