凸版印刷は、建設や製造現場の労務状況を分析できる「ID-Watchy(アイディーウォッチー)」に、リストバンドタイプの生体センサーを連携させた「ID-Watchy Bio(アイディーウォッチーバイオ)」を開発した。これまでのID-Watchyの位置情報と映像に加え、生体データを取得することで、現場の健康管理も行えるようになる。ID-Watchy Bioは2018年内をめどに製品化を目指す。
凸版印刷は、建設現場などで、位置情報と映像データを取得し、人や資材の動態を可視化する「ID-Watchy」に、ホシデンのリストバンド型生体センサー「MEDiTAG(メディタグ)」を連携させた新サービスの提供を2018年12月から開始する。製品化に先立ち、発表と併せて、2018年9月12〜14日に東京ビッグサイトで開催された「第20回自動認識総合展」でデモンストレーションが行われた。
ID-Watchyは当初、戸建て住宅の建築現場で、作業員の入退出管理を目的に開発された。受信機器のBLE(Bluetooth Low Energy)センサーのラインアップが豊富なインドのベンチャー企業Pinmicro社と、NVR(Network Video Recorder)技術に知見があるNEXPOINT社と連携。機器は、作業員が身に着けるBLEビーコン、BLEセンサーと一体化された監視カメラ(IPカメラ)で構成される。新しいID-Watchy Bioは、BLEビーコンをホシデン社のリストバンドタイプ生体センサーに置き換えたサービス。
作業員が持つBLEビーコンは、BLEセンサーで検知・識別されて、現場への入退室情報などを取得。データは、専用のクラウドサーバにアップされ、現場監督はスマートフォンやタブレット上で作業員の動きを数値化された状態で把握する。データはクラウド上に蓄積されるため、これを分析することで、作業時間と時間などの計算から作業原価を知ることができ、現場のムダを無くす労務管理につながる。専用のIPカメラで撮影する映像は、10分刻みでWi-Fi経由でクラウドにアップ。定量化されたデータと映像がひもづくため、数値だけでは分からない場合でも、一目で原因究明を突き止めることができる。
発信機のビーコンは、用途に応じて使い分けができるラインアップをそろえる。Pinmicro社のクレジットカードタイプはIP66を取得し、防塵(ぼうじん)・防水仕様で、一般的なバッテリーが1年程度なのに対し、内蔵バッテリーは4年間の長寿命。
カード型以外では、フォーカスシステムズ社のFCS1301は、3.5mm(ミリ)の薄型かつ5g(グラム)の軽量で、LED搭載やボタン、ストラップ、ブザーなどのカスタマイズ提供が可能。2018年夏に追加された富士通製の「PulsarGum」は、太陽電池を採用しているため電池の交換が不要。シートタイプのため、曲面に曲げて貼ることができる。
今回、追加されたホシデンのバイタルモニタービーコン「MEDiTAG」は、加速度・ジャイロ・コンパスの9軸センサー、気圧センサー、光学脈波センサーを搭載し、脈拍やストレス判定、歩数、転倒検知のデータを得ることができる。通信はBluetooth Low Energyで、動作時間は約16時間。サイズは約39×25×10mm(シリコンバンド除く)で重量は約8g。
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