東京ドームや埼玉スタジアム2002の膜屋根を手掛けたことで知られる大型テントメーカーの太陽工業は、同社の技術研究所が膜材料の試験項目「コーティング層の密着強さ」で日本適合性認定協会(JAB)から国際規格の認定を受けたことを明らかにした。
大型テントなどの構造物を製造する太陽工業の技術研究所は、試験所認定「ISO/IEC17025」の範囲を強化し、日本適合性認定協会(JAB)から膜材料分野で新たに第4の試験項目として「膜材料のコーティング層密着強さ」の認定を受けた。
研究所ではこれまでに「単位質量」「厚さ試験」「引張試験」の3項目で認定を取得。これらに新項目「コーティング層の密着強さ」が加わったことで、質量試験、厚さ試験、引張試験、接着強さ・密着性能試験の4つの項目を有している世界初の第三者機関になったという。
試験の種類 | 測定項目 |
---|---|
質量試験 | 単位質量 |
厚さ試験 | 厚さ |
引張試験 | 引張強さ、伸び率 |
(新)接着強さ・密着性能試験 | 密着強さ |
膜材料の試験項目内容 |
今回追加された「コーティング層密着強さ」は、基布とコーティング層をあらかじめ剥離(はくり)させ、引張試験機を用いて剥(は)がれる際の強さを測定する試験項目。
試験所認定の範囲が拡大されたことで、技術研究所が行う試験や検査結果は、対外的にも、より信頼性の高いものであることが証明される。さらに発行する試験報告書についても、国際的に高い評価を得る。
ISO/IEC17025は、試験または校正を行う能力を規定した国際規格。試験所で測定・試験された結果が信頼性があることを保障する健全なマネジメント・システムを有し、試験を行う能力があるかを認定機関が試験方法・規格分野ごとに認定する。
太陽工業技術研究所では、2010年8月に「機械・物理試験の有機高分子試験材料検査・試験」における試験所認定「ISO/IEC17025」を取得。現在では試験所が発行する試験報告書は国内をはじめ、国際的にも認知されている。
太陽工業は今後、繊維・ゴム・プラスチックに対する各種試験の信頼性向上を通じ、新製品開発だけでなく、建築・土木・物流など幅広い業界の品質改善にも大きく貢献していく考えを示している。
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