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» 2018年08月24日 11時00分 公開

現場管理:G7サミットにも導入された報告書作成と位置情報把握の“フィールド業務”支援システム

Google Cloud Platformパートナーのマルティスープは、工事・保守・点検・調査といったフィールド業務をサポートする「iField(アイ・フィールド)」のサービスを展開している。iFieldは、Google Mapsを活用したフィールド業務向けの現場報告システムで、マルティスープの強みであるカスタマイズ提供によって、インフラ点検をはじめ、不動産管理、大規模農業の管理、G7伊勢志摩サミットでの警備活動など、多岐にわたる用途で活用されている。

[石原忍,BUILT]

 マルティスープは、モバイル位置情報とフィールド業務支援を兼ね備えるソリューション「iField(アイ・フィールド)」を展開している。これまでに、建設業をはじめ、さまざまな業種のフィールド業務で、1000件以上が導入されているという。

多様な現場の報告書フォーマットに対応

 iFieldは、現場での報告書作成や建物の情報管理、作業スタッフの位置把握と作業指示など、フィールド業務で必要な機能を備えた業務支援サービス。専用アプリで運用するため、ハードウェアを追加で購入する必要が無く、普段から使い慣れたPCやスマートデバイスを使って、業務の効率化や生産性の向上が図れる。

報告書の写真への手書き画面。赤丸が手書きの部分

 報告書作成は、さまざまな現場からのニーズを反映させた仕様となっている。インタフェースはシンプルで、マニュアルが無くても誰でも直感的な操作ができる。簡単な入力だけで報告書をまとめられるため、作業後にオフィスや事務所に戻る必要は無い。

 報告書のフォーマットは、自由に作り替えられるExcelと連携し、建設業だけに限らない多様な現場に対応する。入力方法は、複数からの選択式、ボタン式、音声入力の他、地図や写真への手書きメモなども可能。ビル・設備・顧客などの住所や連絡先データと報告書をひもづけできるため、案件ごとに一元化された情報管理が構築できる。

作業員の現在位置や軌跡をGoogle Maps上に表示

 位置情報の表示では、Google Maps上に作業員の顔写真アイコンで現在の位置を表示。本部オフィスのPCでは、対象者の刻々と変わる位置を示すとともに、報告書や現場へのチェックイン、ステータス、メッセージといったタイムライン機能で、一目で現場の状況が把握できる。メッセージ機能では、現場一斉または個人へ急な指示を出すことも可能だ。

地図上に各スタッフの位置情報を表示

 定期的な位置通知を設定すると、任意の間隔で対象ユーザーの軌跡が追える。特定範囲のエリアを指定する「ジオフェンス」機能を活用して、エリア内に入ったユーザーを条件に応じてON/OFFで判定するように設定すれば、出入り管理や作業の開始確認が実現。さらに、エリア設定とメッセージ機能を組み合わせれば、工事現場の危険地帯に侵入してきた作業員に通告を出すなどして、立入禁止エリアを定めることもできる。

青線が地図上の特定ユーザーの軌跡

 位置を捕捉する対象は、ヒトだけに限らず、車や重機などの動きを確認するのにも役立つ。実際に導入している建設会社では、ダンプの運行管理や速度監視システムとして利用されているという。

 変わり種としては、北海道の農業協同組合で、夏に24時間体制で集中して行う小麦の収穫での導入事例。収穫に使う農機のコンバインの位置情報と給油状況を給油車に知らせ、給油が必要なタイミングで車両まで移動することで、給油所まで向かう時間と燃料がはぶけ、作業時間の短縮と全体のコスト削減に貢献している。

 マルティスープはカスタム提供に定評があり、iFieldも多くの現場ではプロフェッショナル向けにカスタマイズ化されて採用されている。代表的な例では、東日本大震災の被災状況調査で活用された。災害時を想定して、SDカードに地図データを格納し、専用ビュワーでオフラインでの詳細地図の閲覧ができるようにカスタム。位置情報付きの電話帳データを活用することで、被害が甚大で特定しにくい建物や事務所の確認にも応じるようにしたという。

 また、G7伊勢志摩サミットでは、警備用に機能を追加し、複数の県警が広範囲を警備する目的で採用された。サミット中に対策本部では、現地の状況を可搬型映像カメラ・定点監視カメラシステムでリアルタイムに把握。サミット後には、要人の移動や警備位置の軌跡がデータとして残り、視覚的に警備内容を再確認できたため、次の警備計画を策定するときに反映できたという。

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