福岡市は、2016年に移転した青果市場跡地の再開発で、三井不動産を代表とするグループを事業者に決めた。計画では九州初となる職業体験型テーマパーク「キッザニア」やショッピングモール「ららぽーと」が整備される計画だ。
福岡市は2018年7月19日、博多区那珂にある青果市場跡地の再開発で、事業者を三井不動産を代表とするグループに決定したことを公表した。
青果市場跡地は、青果物流センターと駐車場の跡地を含めた約8ha(ヘクタール)を超える敷地面積で、福岡空港から約2km(キロ)、JR竹下駅から約800m(メートル)、隣接して東西に「筑紫通り」が走る好立地。市では、広場などの空間確保、地域資源の活用や周辺施設との連携による回遊性の向上など、地域や福岡市の魅力あるまちづくりに寄与する跡地活用を目的に事業者を2018年1月30日から公募していた。
2018年2月7日までの申し込み締め切りに、応募があったのは、事業者に決まった三井不動産グループ以外で、次点となった九州旅客鉄道グループ、イオンモールグループ、イズミグループの4者。全体計画や導入機能および空間計画、運営計画をヒアリング含めて審査した結果、三井不動産、九州電力、西日本鉄道で構成された同グループが選出された。
提案内容によると、「出会いの広場〜そして次の景色へ〜」をコンセプトに、九州初となる子ども向けテーマパーク「キッザニア」を開業。体験農園「アグリパーク」や採れたての野菜を加工・調理できる「Farm Lab」、福岡の食材が集まるフードマーケットも整備する。
また、地域住民の生活の質向上につながる施設として、企業主導型保育園、クリニックモール、障がい者就労支援、三井不動産が展開するショッピングモール「ららぽーと」を設置する予定。
緑の創出では、屋上緑化や農園などで約1万7000m2(平方メートル)の緑化を行う。広場はスポーツパークやウエルカムパークなど、10から成る広場を整備し、広場面積約3万8000m2を確保する。
建築物は、敷地中央に6階建てのショッピングモールおよびオーバル棟を建設。1〜4階は店舗、4〜6階は駐車場、6階の一部は運動場とする。総延べ床面積は13万9010m2の規模となる見通し。
敷地北側にはキッザニアが入るとみられる別棟を配置。1階には大規模バスターミナルの交通広場、2〜3階は店舗、最上階の4階は運動場とする。延べ床面積は1万2560m2。
交通環境では、新規バス路線を新設し、敷地内にバスターミナルを整備する。また、自動車交通の混雑緩和のため、敷地を後退させ、道路の拡幅工事も行うという。
今後のスケジュールは、2018年12月に議会へ議案を上程し、契約を結んだ後、2019年3月に土地引き渡し、2021年度中のオープンを見込む。土地の現況は、ほぼ更地となっており、唯一残った物流センターは建物ごとそのまま事業者に引き渡される。
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