京成電鉄は、上野公園内の今は廃駅となっている「旧博物館動物園駅舎」の改修工事に2018年7月から着手する。工事では、東京藝術大学・美術学部長の日比野克彦氏がデザインした出入り口扉を新設するという。
京成電鉄は2018年6月19日、東京・台東区の上野公園内にある「旧博物館動物園駅舎」の改修工事に2018年7月から着手することを明らかにした。新設する出入口扉には、東京藝術大学・美術学部長の日比野克彦氏によるデザインを採用する。
旧博物館動物園駅舎は、1933年12月の開業。当初は建設予定地が御料地だったため、御前会議での昭和天皇の勅裁を受けて建設された。駅舎内外の意匠は西洋風の荘厳なつくりとなっている。
開業以来、帝室博物館(現・東京国立博物館)や恩賜上野動物園の最寄り駅として利用されてきたが、利用者減により、19997に営業休止。2004年には廃止となっていた。駅舎は現在でも、当時のままの姿をとどめ、2018年4月19日には、東京都の「東京都選定歴史的建造物」に選定されている。
今回の改修は、京成電鉄と東京藝術大学が2017年6月26日付で結んだ京成エリアの魅力向上や文化・観光の振興を目的とした「連携・協力に関する包括協定書」に基づく取り組みの一環として行われる。駅舎の外観に、日比野氏による上野エリアの文化・芸術施設をモチーフにしたデザインを取り入れることで、上野エリアにおける新たな文化シンボルの創出を図る。
工事期間は2018年7月上旬から9月下旬。工事内容は駅舎出入口扉を新設し、日比野克彦氏によるデザインを使用。他に駅舎内部の漆喰(しっくい)・タイルなどの補修や清掃、建具改修、駅舎外部の清掃を行う。施工は京成建設が担当する。
出入口扉のデザインは、上野エリアの9つ文化・芸術施設(上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博館、国立国会図書館・国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京藝術大学、東京国立博物館、東京都美術館、東京文化会館)をモチーフとする。
京成電鉄では、改修工事の完成後、2018年秋頃をめどに、駅舎の一部を公開し、東京藝術大学と協働して、歴史的建築物の魅力を伝える展示を行う予定としている。
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