2012年に米国を襲ったハリケーンの復旧工事は現在でも続いている。その一環として2017年12月に着手したニューヨーク市マンハッタンの地下鉄修復と駅舎の改築工事で、高知県に本社を置く技研製作所の圧入工法が採用された。
土木の施工技術や工法を研究開発している技研製作所は2018年5月15日、製造・販売している杭圧入引抜機「サイレントパイラー」による圧入工法が、ハリケーン被害を受けた米・ニューヨーク市マンハッタン・ブルックリンの地下鉄修復・地下鉄駅舎改築工事で初採用されたことを明らかにした。
2012年に発生したハリケーン「サンディ」はニューヨーク市を直撃。高潮が沿岸地域や地下鉄に大規模浸水し、800万世帯が停電するなど甚大な被害をもたらした。被害総額は8兆円とも言われ、現在でも復旧工事が継続して行われている。
技研製作所の工法が採用された工事は、ニューヨーク州都市交通局(MTA NYCT)が発注したハリケーン被害からの地下鉄トンネルと駅ホームの修復および地下鉄入口の新設に伴う土留め壁の構築。
グループ企業のGiken America Corporation(技研アメリカ)は、施工者で共同企業体の1社であるJudlau(ジャドロー)社に、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー F401-1400」をレンタル提供した。技術指導員も派遣して、ローカルオペレーターと協働で2017年12月、工事に着手し、2018年4月中旬に完工。使用した矢板の型式・寸法は、「AZ19-700」が10.1mで368枚、「AZ40-700N」が14mで310枚。
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