耐火被覆吹付ロボット、ホテル建設の現場で実証実験(2/2 ページ)

» 2018年04月19日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]
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2019年度内の実用化、BIMとの連動も視野に

 17日の実証実験で、総合技術研究所 住宅系技術研究室 施工生産グループ 主任研究員・星野雅一氏は、「開発テストの段階で、ロボットには、距離や噴出角度、速度といった吹付方法を何パターンも組み込み、対象物によって吹き付け方を自動で変えられるようにした。例えば、ボルトの出ている部分では、普通の吹付速度では厚みが足りなくなるため、ゆっくり吹き付けるようにしている。対象物のサイズや位置などの図面情報さえ入力すれば、どこに目標物があるかを判別して、自動で吹き付けることができる。作業量は、人の手だと160m2(平方メートル)/日だが、ロボットは200m2/日以上を目標にしている。今回のプロタイプによるテストで、位置精度などの改善すべきを点を精査して、2019年度中の実用化を目指したい」と説明した。

左が速いスピードでの施工、右が作業速度を落して職人が施工したのとほぼ同等の仕上がり。耐火性能自体に差はない

 今後の開発方針について星野氏は、「ロボットで吹付工事全てが完了するわけではない。狭い場所には入れないため、どうしても人の手は必要。ロボットと人を組み合わせ、今よりも職人の作業環境が働きやすくなることが望ましい。将来的には、3次元の建築物データに属性情報を追加して活用するBIMと連動させ、図面データの取得も簡易化し、産業用ロボットアームの知識がなくても誰でも扱えるようにしたい」と話す。

 耐火被覆吹付ロボットのサイズは、L2600mm×W1600mm×H3700mm(最小2020mm)。電源は三相200V。搭載ロボットアームは安川電機製「GP-7」(6軸)。移動スピードは最速20m/分。昇降速度は上昇が最大4.5m/分、下降が9m/分。移動精度は±5mm、昇降精度は±2mm。

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