一方で、生産性向上シナリオでは、情報化施工やITによる検査・維持管理などによる生産性向上と、時間外労働の削減や週休2日制の導入といった働き方改革がより進んだ状況を仮定し、「本来必要な建設技術者数」を試算した。
同社は、政府が掲げている「2025年度までに建設現場の生産性が20%向上」という目標が実現した場合、同じ建設需要に対応するために「必要な建設技術者数」は約7万人削減できるとする。一方で、現状2078時間にもなる建設技術者の年間総労働時間を製造業レベル(1958時間)にまで引き下げれば、約1万6000人の雇用が新たに必要になると予想する。
これにより、「本来必要な建設技術者数」が2015年比で約5万人減の30万1510人と試算され、人材需給ギャップは約5万8000人になると予想。現状維持シナリオから約5万5000人分ギャップを改善できるとした。
この結果を受けて、ヒューマンタッチ総研所長の高本和幸氏(ヒューマンタッチ代表取締役)は、IT活用による生産性向上への取り組みは必須になると指摘しつつ、働き方改革の推進によって建設技術者の減少を抑え、試算よりもさらに需給ギャップが改善することも予想されるとコメントしている。
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