IoTで土木工事の全てを“見える化”、生産性が15%向上情報化施工

フジタは建設現場の建設機械、人、測量に関する情報をクラウドに集約し、全工程を可視化する工程管理システムを開発。実際の土木工事現場に導入し、15%の生産性向上を実現した。

» 2017年09月11日 06時00分 公開
[BUILT]

 大和ハウスグループのフジタは、岐阜県関市で施工中の土工工事で、IoTを活用して建設機械、人、測量の情報すべてを集約し、「全工程見える化」を実現したと発表した。施工量では、従来比約15%の生産性が図れたという。

 この取り組みを行ったのは、岐阜県関市広見の東海環状自動車道で実施している延長約300mの道路建設工事。土工現場のICT建機やダンプトラックなどの重機、工事管理者、職長、オペレーターなどの人、三次元測量データ、ロードライトなどの施工情報を全てクラウドサービスに集約できる独自のシステムを構築。施工の進捗(ちょく)や出来形の情報を、工事管理者だけでなく職長やオペレーター、運転手など全ての現場担当者に、リアルタイムで共有できるようにした。

「全工程見える化」のイメージ(左)。今回のケースでは15%の生産性向上に成功した(右)(クリックで拡大) 出典:フジタ

 これにより、各オペレーターが相互の位置情報と、施工進捗およびダンプトラックの運行状況をマップ上で視覚的に把握できるようになった。連携作業がスムーズになり、建設機械の手待ち時間が大幅に短縮され、稼働率が向上するという効果が生まれた。その結果、現場全体の建設機械とダンプトラックの計画的かつ効率的な配置が可能になったという。

 さらに、作業計画の日々改善と適正化が進み、オペレーターから作業進捗や天候などの条件に応じた建設機械の配置変更が提案されるようになるといった変化も生まれた。こうした効果によって、特に切盛土の施工効率が向上したという。

 また、各プロセスの関係者による自主的なクラウド活用が活発になり、重機始業前点検の結果をWeb看板を通して可視化するなど、安全管理のツールとしても利用が進んでいるという。

「全行程見える化」に適用した技術の一覧(クリックで拡大) 出典:フジタ

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