清水建設とNTTテクノクロスはセンサーとIoT基盤を活用し、オフィスの使われ方を“見える化”する実証実験を開始する。客観的なデータで使われ方を把握し、オフィス内レイアウトの見直しや、それに伴う生産性の改善につなげていく狙いだ。
清水建設とNTTテクノクロスは、「NTTテクノクロス横浜事業所」(横浜市西区)で、IoT基盤とビッグデータを活用し、オフィスの使われ方を“見える化”する実証実験を行うと発表した。オフィス内レイアウトの見直しや、それに伴う生産性改善などへの有効性を検証する。実証期間は2017年9月〜2018年3月までの7カ月間を予定している。
実証では、清水建設が開発した「施設内IoT基盤システム」とNTTテクノクロスが提供するデータの解析および見える化システム「Yellowfin」を利用する。施設内IoT基盤システムは、施設内に設置する多数のセンサーで取得した計測データを一元的に収集できる。集めたデータは、建物統合データベースにて蓄積・解析を行う。解析はオープンソースソフトウェア「Elasticsearch」を利用し、その結果をYellowfinで目的に合わせて見える化する仕組みだ。
センサーは市販のものを約50台導入する。打ち合わせスペースの机や階段、通路には人感センサー、椅子には振動センサー、トイレの各ブースにはドアの開閉センサーを設置し、各執務スペースの利用人数や利用時間帯、利用頻度などのデータを計測し、見える化する。
NTTテクノクロス横浜事業所では、オフィスの執務スペースの使われ方を見える化することで、より効率的な室内空間の使い方やあり方を追求する狙いだ。例えば、打ち合わせスペースの使われ方については、よく利用される時間帯や曜日、1回の打ち合わせにかかる時間、机や椅子の利用頻度などを、グラフィック表示により一目で把握できるようにする。その結果を踏まえて、打ち合わせの曜日や時間帯を設定したり、ミーティングスペースの過不足を見直したりすることで、生産性を向上や「働き方改革」に生かしていく。
清水建設は今後、施設内IoT基盤システムを活用し、オフィスのレイアウト変更や施設の改修など、オフィスビルの効率的な運営管理のあり方を提案するとともに、人やモノの動きと連動した新たなビル管理システムの構築を目指す。
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