複数現場の建機情報をクラウドで一元管理、制御の自動化も視野に情報化施工

竹中工務店は複数の作業現場の建機情報を収集し、一元管理できるクラウドシステムを構築した。工事用機械の稼働状況を一元管理し、保守運用業務の効率化を目指す。将来は収集したデータを工事用機械の制御、自動化にも活用していく方針だ。

» 2017年08月07日 06時00分 公開
[長町基BUILT]

 竹中工務店は、作業所で稼働しているタワークレーン、工事用エレベータなどの遠隔監視およびデータ収集用のクラウドシステムを開発したと発表した。1つのクラウド基盤を使用し、複数の作業所における工事用機械の稼働状況を一元管理することで、保守運用業務の効率化を目指す狙いだ。

 国内建設需要が増加傾向にある中で、工事用機械の稼働台数は増えており、機械を保守・運用する管理者の業務が拡大してきた。さらに、作業所における工事用機械は、異常や故障が発生した場合、現地からの電話連絡による状況報告により原因を想定し、技術者が現地に到着してからの現物調査、対応となっており、時間的なロスが多く、作業工程への影響が懸念されている。

 一方、近年のセンサーやネットワークを活用するIoT技術の進展により、従来は監視・観測をしていなかったモノや情報を可視化・データ化することが可能になりつつある。

 竹中工務店が今回開発したクラウドシステムは、工事用機械の遠隔監視システムにより、故障の予兆や発生をリアルタイムに把握することができ、迅速な検査、修理対応が可能となるとともに、異常や故障によるリスク低減につながるという。

開発したクラウドシステムの概要(クリックで拡大) 出典:竹中工務店

 加えて、同システムは製造会社の異なる工事用機械からのデータを一元管理することができ、これまで活用しきれなかったデータを分析・処理することで、作業所の安全、品質、工程、施工計画、環境(省エネ)のあらゆる分野に展開することが可能となり、建築生産効率の向上が図れるとする。

 今後、竹中工務店では同システムにより収集されたビッグデータを工事用機械の制御、自動化の領域での活用を目指していく方針だ。

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