コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社は、建設分野でのIoT活用を支えるシステム基盤「LANDLOG(ランドログ)」を共同で企画・運用すると発表した。ランドログを提供する新会社を10月に設立し、設事業者向けに提供を開始する。
コマツは2017年7月19日、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムとともに、建設業務の生産プロセスに関与する土・機械・材料などのあらゆる「モノ」をつなぐプラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」を4社共同で企画・運用することに合意したと発表した。今後、4社で運営会社を設立し、2017年10月から建設事業者向けに提供を開始する計画だ。
国内の建設業界では、技能労働者約340万人(2014年時点)のうち、約3分の1にあたる約110万人が今後10年間で高齢化などにより離職する可能性が見込まれており、それに伴う労働力不足が大きな課題になっている。
そこで各企業は生産性向上を目的とした測量、施工、検査などの建設生産プロセスへのICT活用を進めている。だが、建設生産プロセスにはさまざまな専門性を有する複数の工事事業者が関わるため、各種データは事業者ごとに管理されている場合が多く、建設生産プロセス全体に生かされてされていない現状があるという。また、生産性だけでなく、現場の安全性を向上させるには、建設生産プロセス全体のデータの収集と、これらを一元管理するプラットフォームが有効であるとする。
コマツでは2015年2月から、建機をはじめとする建設現場のあらゆるものをICTでつなぎ、蓄積されたデータを安全性の向上や、新たなサービスに活用する「SMART CONSTRUCTION(スマートコンストラクション)」をスタート。導入現場数は累計で3308カ所にまで拡大している。
同ソリューションで運用しているプラットフォーム「KomConnect(コムコネクト)」は、施工現場ごとの建設生産プロセス全体の情報を収集し蓄積、解析する機能を持つ層と、プラットフォームに蓄積されたデータを活用して生産性向上および現場の安全に寄与するアプリケーションを提供する機能を持つ層の2層で構成されており、現場の生産性向上などに貢献するなどの実績を残しているという。
コマツでは今回、「こうした取り組みをより加速していくため、これまで自社で企画・運営を行っていた、建設現場のIoTを実現するコムコネクトをオープンな環境に整備し、より多くのソリューションパートナーがこのプラットフォームを利用することで、建設現場に最適なサービスを提供できるようにしたい」(コマツ 代表取締役社長兼CEOの大橋徹二氏)と考え、パートナーとの協業により、コムコネクトをより高度なプラットフォームへと進化させることを決めた。
この方針に沿って、コマツのIoTの取り組みを長年支えてきたNTTドコモ、SAP、オプティムが協業し、建設生産ププロセス全体のIoT基盤を目指すランドログの企画・運用を共同で行うことに至った。
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