地表と水面下のダブル測量を実現、ドローン向けシステムの開発に着手情報化施工

アミューズワンセルフとパスコは、国土交通省が実施する「革新的河川管理プロジェクト」の元で、ドローンに搭載する植生下と水面下を同時に測量可能なシステムの開発に着手した。2017年度末の実用化を目指す方針だ。

» 2017年04月06日 06時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 アミューズワンセルフとパスコは、国土交通省が実施する「革新的河川管理プロジェクト」の一環として、ドローンに搭載する新しいレーザー測量システムの開発を開始した。植生下と水面下を同時に測量できる小型システムの開発を行うもので、2017年度末の実装・実用化を目指す方針だ。

 革新的河川管理プロジェクトは河川管理の高度化に役立つITや、測量技術の開発を目的とした事業だ。オープンイノベーションの手法を取り入れ、早期の実用化を前提としているのが特徴である。国土交通省は2017年11月に、「陸上・水中レーザードローン」「クラウド型・メンテナンスフリー水位計」「100km以上飛行型ドローン」「全天候型ドローン」の4項目について、参加企業の公募を実施していた。

「革新的河川管理プロジェクト」の概要(クリックで拡大) 出典:国土交通省

 アミューズワンセルフとパスコは4項目のうち、「陸上・水中レーザードローン」の項目に応募し、開発チームに採択された。

 現在のドローン測量では、草や立木などの植生に遮られる植生下の地表面は測量できない。一方、より高性能な航空レーザー測量はコストがかかるという課題がある。そこで、航空レーザーの測量システムを小型化し、ドローンに搭載できるようにする。これにより、地表面だけでなく水面下の河床などを同時に測量できるようにし、面的連続データを活用した河川管理を行えるようにする狙いだ。低価格化も目指し、取得した後のデータの見える化までも行う。

 アミューズワンセルフはドローン搭載可能なレーザー計測システムの開発、パスコは河川管理に必要となるレーザー計測の仕様と取得データの見える化の検討をそれぞれ担当し、共同で河川管理のための陸上・水中レーザードローンの実用化に取り組む。近畿地方整備局が管理する由良川水系「由良川(ゆらがわ)」をフィールドに、2017年4月下旬から現場実証に取り組む方針だ。

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