CIMで品質管理を見える化、鹿島が海底トンネル工事に導入情報化施工(2/2 ページ)

» 2017年03月06日 06時00分 公開
[長町基BUILT]
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テールクリアランスの状況を常に把握

 CIMにより、シールド機やセグメントなどの位置情報や、土質といった掘削地盤情報が可視化され、さらに、深浅測量から得られた海底面の高さを3次元データに取り込むことで、海底面からの土被りも視覚的に把握可能となった。また、シールド掘進管理システム(「Kajima Shield Control System」)から得られる掘進リングごとの各種データをCIMの属性情報とすることで、施工状況も可視化されるため、施工の精度と安全性が高まっているという。

 この他、同管理システムにより自動生成されるシールド機とセグメントの位置情報から、リアルタイムにテールクリアランス(シールド機後方のスキンプレートの内側とセグメントの外側との隙間)を把握することができる。これまではシールド機の方向を変えながら掘進する場合、テールクリアランスを均一に保つことが難しく、セグメントとスキンプレートが接触し、セグメントにひび割れなどの損傷が生じる恐れがあったが、CIMを活用しテールクリアランスを常に把握することで、日々的確な掘進管理を行うことが可能となった。

施工情報を色分けして可視化した他、テールクリアランスもリアルタイムに把握できるようにした(クリックで拡大) 出典:鹿島

 このように、さまざまな情報を“見える化”したたことで、確実な施工管理がなされ、高度な品質管理と施工の安全性を徹底することができた、としている。

 鹿島は、既設構造物や埋設物との近接施工の状況をタイムリーに、また視覚的に把握できるCIMの利点を生かし、都市部のシールド工事への導入を引き続き進める方針だ。

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