MetaMoJiが建設業界向けのデジタル野帳アプリ「eYACHO」の新バージョンを発表。メンバーがリアルタイムに同時書き込み可能な共有ノートを作成できるなど「個のツール」から「チームのコミュニケーションツール」へと進化した。
建設・土木作業での現場において、業務管理に必要なさまざまな情報を記録する「野帳」。紙のノートにペンで書き込むという、アナログな作業がいまだに残っている分野だ。現場での即応性や紙ならではの自由なメモ感覚などが、紙の野帳が使われ続けている理由だが、せっかくの現場情報も紙ゆえに情報のシェアや一元管理が難しいなど、現場のIT化を妨げる要因にもなっている。
その野帳のデジタル化を推し進めるのが、一太郎の創始者が率いるMetaMoJiだ。同社が2017年3月2日に建設業界向けのデジタル野帳アプリ「eYACHO」の新バージョンを発表した。
eYACHOは2015年6月にMetaMoJiと大林組が共同で開発したiPad/iPhone向けアプリ。大林組が業務効率化推進の一環で現場の管理者へ配布したタブレット端末(iPad)の利用率を高めるために野帳のデジタル化を検討し、MetaMoJiに共同開発を持ち掛けたのがきっかけだ。
MetaMoJiが得意とするデジタルノートアプリを建設業界向けに特化させ、大林組が長年培った建設業界での知見を生かした機能が搭載されている。2016年6月には「Ver2」となる法人向け「eYACHO for Business」をリリース。今回の新バージョンは「Ver3」となる。
同社の浮川和宣社長は「前バージョンまでは野帳をデジタル化することで個人の生産性向上を狙ったが、Ver3では“シェア”という非常に大きな機能を付加した。iPadはインターネットというインフラに“つながる”ことを前提に設計されている。チームや組織とリアルタイムでつながる今回の新機能で、従来の物理的な(紙の)野帳ではできなかったことが実現可能になる。働き方改革が注目されているが、建設土木現場のワークスタイル変革の象徴がeYACHO」と語る。
新バージョンでは、メンバーが同時書き込み可能な共有ノートを作成できるようになった。今までは事務所に戻って作成していた資材・車両搬入計画の作業間調整資料も、現場にいながら自分の担当分を書き込んでおくことで、リアルタイムにメンバーに共有。現場で瞬時にチームや組織間でのコミュニケーションを取ることができるほか、現場のすきま時間を有効活用でき、事務所での残業会議削減、迅速な作業計画遂行、検査品質の向上などの効果が期待できるとする。
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