Autodesk LiveはRevitのアドインツールとして提供する。インストールすると、Revitの操作画面上に「Go Live」というボタンが表れる。これをクリックすると、クラウド上にBIMデータがアップロードされ、自動で変換とダウンロードが行われる仕組みだ(図2)。
変換されたデータは「.lvmd」という拡張子となり、「Autodesk Live Editor」で編集できる。変換したデータにはBIMデータが含まれており、Revit上で設定したライトなどの陰影の要件、アングルなどを再現できる。視野角や焦点距離、視点の高さなども変更できる他、内部を移動しながら障害物の有無や扉の動きの安全性を検討したり、季節や気象条件を任意に変更し、窓から差し込む光量を検討したりも可能だ(図3・4)。より詳細な編集・加工を行いたい場合はStingrayに取り込むこともできる。
Autodesk Live Editorを起動しているマシンに、HMDなどのVR機器を接続すれば、ソフトウェア上のボタンを推すだけですぐにVR空間を体験できるのも特徴の1つだ。なお現時点で対応するVR機器は「HTC Vive」「Oculus Rift」の2製品となっている。なお、Autodesk Live Edtitorの動作環境は「Windows 7(SP1)/8.1/10」である。
変換したデータを、iPadなどのタブレット端末などで閲覧する場合には、無償提供される「Autodesk Live Viewer」を利用する。メールなどで閲覧用のファイル(拡張子は「.live」)を受け取れば、実行ファイルを起動することなくAutodesk Live Viewerで閲覧できる。Autodesk Live Viewerは、Windows版とiOS版(iPadのみ)を用意する。
Autodesk Liveは、オートデスクが掲げる「Live Design」というコンセプトのもとで開発した第1弾製品となる。これは設計に関わる複数のソフトウェアが協調的に機能することで、3D CGなどのビジュアル制作の生産性向上を図るというコンセプトだ。Live Designを構成する具体的なソフトウェアとしては、今回発表したAutodesk Liveの他、Revit、3ds MAX、 Singrayなどが挙げられる。
2016年9月下旬から販売するAutodesk Liveの価格は、1ライセンス当たり税別5000円で、クラウドの使用回数は無制限だ。Revit 2014以降に対応しているが、Revit LTは対象外となる。
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