東急グループの3社が自社で所有する賃貸住宅を活用し、IoTを活用した賃貸住宅の空室管理システムの実証試験を開始する。内覧希望があった際に管理会社が遠隔から電子錠を解錠し、立ち会いなく内覧できるようにするなど、空室管理業務の効率化を図る。
東急住宅リース、イッツ・コミュニケーションズ(以下、イッツコム)、Connected Designの東急グループ3社は、2016年9月20日からIoT(Internet of Things)を活用した賃貸住宅の空室管理システムの実証試験を開始する。電子錠を遠隔から解錠できるシステムなどを導入し、空室内覧を行いやすくするなど、空室管理業務の効率化が狙いだ。
実証試験は東急住宅リースが管理する横浜市青葉区にある賃貸住宅の空室を利用する。空室にイッツコムが提供しているIoTサービス「インテリジェントホーム」の機器の1つである「スマートロック」(電子錠)とホームゲートウェイを設置する。
インテリジェントホームは電子錠の他、センサーやカメラ、家電コントローラーなどのIoT機器を、入居者の要望に応じて設置できるサービスで、2015年2月から提供を開始している。こうしたIoT機器を使って、子どもの帰宅をメールで通知する機能や高齢者の見守り機能、外出先からペットの様子を確認したり、エアコンや照明のオン・オフなどを制御したりできる機能などをオプションとして用意している。
今回の実証では、設置した電子錠の管理にConnected Designが開発するIoT機器管理システム「Connected API」を用いる。Connected APIは電子錠や、IPカメラなどをAPI経由で遠隔から操作・確認できるシステムで、有効時間を設けた時限式の鍵の発行も行える。
実証試験では管理会社がこの機能を使い、電子錠の遠隔からの開閉および時限式の鍵の発行などの操作を検証する。内覧希望があった場合、予約時間に合わせて遠隔から鍵を開閉したり、時限式の鍵を送付することで立ち会いなく内覧を行えるようにしたりなど、空室管理業務の効率化を図る(図1)。実証は2017年1月まで行う予定だ。
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