建築物を構成する部材などの情報を一元的に管理するBIMのデータを活用した新しいサービスが始まった。建材や家具などの商材データベースとBIMのデータを照合して、自動で積算から見積もりまでを実行できる。設計前にBIMパーツライブラリーを整備することで建材の集中購買も可能になる。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のデータ作成・管理サービス「ArchiSymphony(アーキシンフォニー)」を提供するペーパレススタジオジャパンが新しい機能の提供を7月29日に開始した。ArchiSymphonyはBIMのパーツライブラリーを作成して設計図面の作成などを効率化するサービスで、オートデスクのBIMソフト「Revit」と連携してパーツライブラリーを設計者や施工者に供給する(図1)。
新機能は2つある。いずれも従来のArchiSymphonyと同様にネットワーク上で提供するサービスだ(図2)。1つ目の機能は「設計BIMデータ積算サービス」である。BIMのデータと建材や家具などの商材データベースを照合して自動で積算する。もう1つは「建材調達サービス」で、BIMのパーツライブラリーをもとに建材の集中購買を支援する。部材のプレカットや造作家具にも対応できる。
自動積算の機能はBIMのデータに独自のコードを埋め込むことによって、設計・施工時に必要な積算を短時間で実行できるようにした。ただし利用者ごとに積算のロジックを事前に定義して実装する工程が必要になる。一方の建材調達支援サービスはメーカーやファブリケ―ターと調整したうえで提供する。
ペーパレススタジオジャパンはBIMと連動するArchiSymphonyの効果を最大限に発揮できるように、サービス範囲を設計の初期段階から部材の調達段階へ拡大した。さらに今後は施工管理やファシリティマネジメントまでをカバーする計画だ。
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