西武建設、スリーフィールズ、サイバートラストは、埼玉県所沢市内の道路工事現場で「映像真正性保証ソリューション」の実証実験を開始した。動画生成AIやディープフェイク技術の進化に伴う映像改ざんやなりすましのリスクに対応する。
西武建設、スリーフィールズ、サイバートラストは2026年8月26日、埼玉県所沢市の道路工事現場で、国際的な技術標準化組織が策定する技術標準「C2PA」を用い、施工映像の真正性を検証可能にする実証実験を開始したと発表した。
動画生成AIやディープフェイク技術の進化に伴う映像改ざんやなりすましのリスクに対応する。建設現場で施工記録として利用する映像の真正性を担保し、強固なトラスト基盤の構築と活用を目指す。
建設現場では定点カメラやウェアラブルカメラを利用した遠隔臨場、品質管理が普及している。映像を施工記録として利用する場合、「工事記録映像活用試行要領・同解説」などの指針では、映像が一切編集されていないことが条件とされてきた。一方、生成AIの進歩によって精巧な映像を生成できるようになり、人の知覚だけで映像の真正性を判断することが難しくなっている。
C2PA規格では、「いつ、どこで、誰が、どのツールで」撮影した映像なのかを示す署名付きメタデータ(マニフェスト)を映像ファイルに付帯させる。第三者はデジタルな来歴情報(プロビナンス)を基に、映像の真正性を客観的に検証できる。この仕組みにより映像の改ざんを検知可能にし、施工の透明性向上につなげる。
実証現場は、西武建設が施工する埼玉県所沢市発注の「北野下富線(4工区)道路築造工事」。西武建設は施工管理でC2PAを用いた映像エビデンスの信頼性担保を検証する。真正性が保証された映像を従来の工事写真に代わる新たな施工記録として活用するため、実運用上の課題を抽出し、有用性を評価する。
スリーフィールズは映像クラウドサービス「TStocker」を提供。カメラの映像ストリームにC2PA技術を用いた来歴情報を記録し、署名を付与する。特定メーカーに依存しないベンダーニュートラルな仕組みとし、多様な現場への導入を可能にする。
サイバートラストは、TStockerの映像データに対してC2PAに対応する「iTrust C2PA用証明書」を提供する。認証局として署名者の実在性や本人性を確認し、映像の出所や来歴を検証するための信頼の起点を担う。特定のソリューションに依存せず、C2PAに基づく相互運用可能な仕組みの普及を支援する。
C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)は、デジタルコンテンツの出所や真正性を検証可能にするための技術標準を策定する国際的な技術標準化組織。画像や動画などに作成者、編集履歴、生成AIの使用有無などの来歴情報を暗号的に付与し、改ざんの有無や信頼性を確認する仕組みを規定している。
3社は今回の実証で蓄積した知見を論文発表などを通じて公開する予定。
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