静岡三島の地場コンが実践する「ベストミックス」の現場DX 本当に使える技術を見極めるには地場ゼネコンのDX(3/4 ページ)

» 2026年06月29日 17時51分 公開
[黒岩裕子BUILT]

スタートアップとの共創でDXを加速

 加和太建設のDXを加速させてきたのが、建設系スタートアップとの積極的な協業だ。加和太建設では新しい技術を取り入れるだけではなく、開発段階から現場を実証フィールドとして提供してきた。

 2023年にはSORABITO、太陽建機レンタルと連携し、従来は電話やFAXで行っていた資材発注業務のオンライン化に挑んだ。レンタル会社向けアプリ「i-Rental」を導入することで、レンタル品が可視化され、発注ミスやコストの削減に成功した。さらに、EARTHBRAINの施工DXプラットフォーム「Smart Construction」シリーズを砂防えん堤工事で試行した。デジタルツイン技術の活用により、施工計画の精度向上や工程遅延防止、運搬効率改善などの効果を確認している。

 さらに、三島市内の現場においては、DataLabsと3D点群データを用いた橋梁(きょうりょう)補修工事の出来形管理を試行し、省人化効果を実証。下田市内の道路建設工事ではPolyuseと協業し、建設用3Dプリンタによる施工を実施。集水マスを作成し、通常は型枠の作成から脱型まで約5日を要する作業を約2時間半で完了できると証明した。

現場を支える「ポータルサイト」の基盤

 新技術の導入と並行して、日常業務の標準化も進めた。日々の業務で迷うことがないように社内ポータルサイト「土木部サイト」を構築し、施工管理書式や出来形管理資料、機材の貸し出し管理から、グリーンサイトの登録方法に至るまで、土木技術者が必要な情報を集約。入社したばかりの経験の浅い社員でも必要な情報へ迅速にアクセスできる環境を整えた。

 並行して、現場技術者と協力して施工書類やデータ整理/作成業務を担う「建設ディレクター」の資格者を増やす取り組みも進めてきた。最前線の現場からバックオフィス業務を切り離すことで継続的に業務効率化を進めている。

 自社開発のクラウド型建築施工管理支援システム『IMPACT CONSTRUCTION(インパクトコンストラクション)』の土木版も開発中だ。

土木部ポータルサイト 

 DX推進や業務支援の拡大によって、現場からは「これまで手が回らなかったコア業務へ取り組めるようになった」という声も上がり始めている。重田氏は「技術者の残業時間は従来よりは減ったなという程度で、一気に削減できたわけではない」と慎重な見方を示すが、現場からは「以前より早く帰れるようになった」との声も聞かれるなど、着実に成果が見え始めている。

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