3.11から15年、職人不足で災害時の復旧困難が6割超 8割が賃上げでも採用改善せず調査レポート(1/2 ページ)

ワールドコーポレーションは、建設業の職人に関する実態を調査した。その結果、「若手職人が不足している」が7割を超え、「今後10年以内に3割以上の職人が引退する」が半数以上を占めた。深刻な職人不足により、東日本大震災から15年が経った今、大規模災害が発生すると復旧対応は困難と6割超が回答した。

» 2026年03月17日 09時00分 公開
[BUILT]

 ワールドコーポレーションは2026年2月26日、「建設業の職人に関する実態調査」の結果を発表した。調査は、2026年2月6日から7日にかけてオンラインで実施し、建設業に従事する経営者や役員、管理職600人が回答した。

賃金を引き上げた企業の84.3%が「採用できなかった」

 調査結果によると、若手職人(10〜30代前半)が不足していると回答した割合が74.3%に達した。「今後10年以内に職人のうちどの程度が引退すると見込まれるか」という質問に対しては、「3割以上が引退する見込み」が56.8%、「半数以上が引退する」は2割を超えた。若手の流入が停滞する一方で、ベテラン層の引退が加速し、建設現場の施工体制に深刻な影を落としていることがうかがえる。

若手職人不足の有無、今後10年以内の職人引退割合見込み 若手職人不足の有無、今後10年以内の職人引退割合見込み 出典:ワールドコーポレーションプレスリリース

 職人不足の影響は既に事業活動にも及んでいる。「職人不足を理由に工事の受注を断る、あるいは発注を断られた経験がある」と回答した割合は70.5%に上った。施工体制を十分に確保できないことが、企業の供給能力や対応可能案件数を制約し、機会損失につながっている実態が浮き彫りとなった。

職人不足を理由に工事の受注を断る経験、発注を断られた経験の有無 職人不足を理由に工事の受注を断る経験、発注を断られた経験の有無 出典:ワールドコーポレーションプレスリリース

 職人不足への対応策として最も多かったのは、「賃金/日当の引き上げ」で43.7%。続いて「協力会社や外注先の拡充」の29.0%、「福利厚生や待遇の改善」の26.8%だった。

 一方で、賃金を引き上げた企業の84.3%が、「まったく採用できなかった」「期待するほど採用できなかった」と回答。最も一般的な対策の賃上げが、必ずしも人材確保に直結していないことが明らかとなった。

 さらに、4社に1社が、そもそも「有効な取り組みができていない」としており、企業側が危機を認識しながらも、抜本的な打開策を見出せていない現状も判明した。

現在取り組んでいる職人不足対応策 現在取り組んでいる職人不足対応策 出典:ワールドコーポレーションプレスリリース
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