ブースでは、ミニバックホーにバケット部左右45度の傾斜(チルト)と360度回転機能を持つチルトロテータを組み合わせたパッケージも展示した。チルトロテータを使用することで、掘削作業や法面整形で機体を移動を最小限に抑え、効率的な施工が行える。作業内容に応じてワークツールを迅速に交換可能なクイックカプラ機能も搭載し、現場の生産性向上を支援する。
チルトローテータは、スウェーデンのメーカー「STEELWRIST(スチールリスト)」製だ。
担当者は「チルトロテータ自体は他社の建機でも使えるが、世界トップクラスのシェアを持つクボタのミニバッグホーとパッケージ化した点が強み。ミニバックホーは主に土木工事や管工事で利用されており、クボタの製品は現場のオペレーターから『思った通りに動く』と操作性の高さで評価を得ている」と強調した。
ICT施工の普及に対応し、クボタはマシンガイダンスパッケージ「ICT NAVIGATOR」を展開している。GNSSを使用するHemisphere(ヘミスフィア)のマシンガイダンスシステム「GradeMetrix(グレードメトリックス)」に対応したパッケージと、トプコンのトータルステーション「杭ナビ」を使用する2種類を用意する。
GradeMetrix対応パッケージでは、建機のキャノピーに搭載した受信機「VR500」で位置情報を取得。2個のアンテナを一体化したことで小型建機への取り付けを可能とした。多くの衛星を受信可能なマルチGNSSに対応し、基地局と補正データ配信サービス「Ntrip」を使用することで、基地局から10キロ圏内の現場で誤差±5センチの高精度なマシンガイダンスを行えるのが特徴だ。
一方、トプコンのマシンガイダンスシステム「杭ナビショベル」を搭載したパッケージでは、トータルステーションと建機に取り付けたセンサーがLPS(ローカル測位技術)方式で連動。建機の位置情報と3D設計データを統合し、タブレット画面上に刃先の位置/角度を表示して設計面までの距離をリアルタイムに確認しながら作業を行える。位置情報の取得にGPSを使用しないため刃先誤差は±3センチ以下の高精度を実現。また、トンネルや山間部、高層ビルの間などでも安定した受信性能を発揮する。今後はオフセットブームにも対応予定だ。
担当者は「マシンガイダンスシステムの引き合いは多い。公共工事においてICT建機の使用が求められる指定工事が増えており、需要が伸びている」と述べ、活用の場が着実に広がりつつあると話した。
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