深刻な人手不足に直面する建設業界で、現場の効率化と安全管理を実現する監視カメラを活用する場が広がっている。一方で、初期コストや運用の煩雑さから導入を躊躇する企業も多い。そうした問題に対し、埼玉県の電子機器メーカーMIYOSHIは、低コストで即日使える現場監視カメラ「G-cam」とウェアラブルカメラ「G-POKE」を提案する。
遠隔からでも現場状況を把握し、重篤災害の防止や管理業務の負担軽減に貢献する現場監視カメラは、建設現場で今や欠かせない存在となっている。一方で、導入時の手間や初期費用、設置後の運用管理の煩雑さが足枷(あしかせ)となり、導入に二の足を踏む企業も多いという。
「第9回 JAPAN BUILD TOKYO−建築の先端技術展−」(会期:2024年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、現場監視カメラ導入前の問題を解消する2つのサービスが注目を集めた。埼玉県入間郡三芳町に本社を構え、電子機器の受託製造(EMS)や現場監視カメラの開発/レンタルを手掛ける電子機器製造会社MIYOSHIが提供する「G-cam(ジーカム)」と「G-POKE(ジーポケ)」だ。
G-camは、モバイル通信(LTE)を活用する設置型の監視カメラ。IP66相当の防塵/防水性能を備え、屋内外で設置場所を選ばない。光学4倍ズーム機能を持つカメラは、垂直方向に90度、水平方向には350度の範囲で動作して画角と合わせて360度以上の視野をカバーする。
ハイビジョン画質の映像を専用のWebブラウザを通してライブ視聴可能で、撮影した映像はローカルやクラウド(オプション)に保存。さらに最大50メートルまで照射できる赤外線機能を搭載し、暗闇での監視にも対応する。周囲の明るさに応じて自動でモードが切り替わるため、夜間の現場で建機や資材の防犯対策にも適する。
G-camの強みは、稼働までの簡易性とアフターフォロー体制にある。15時までに専用Webサイトから注文すると当日発送され、最短で翌日には現場にカメラが届く。カメラを箱から出し、本体を固定用ベルトで支柱などに取り付け、防水ACケーブルを本体のコネクターとAC100Vコンセントに接続するだけで、すぐに利用できる。モバイルSIMと設定済みルーターを内蔵しているため、専用配線を構築する必要もない。ブースで製品紹介をしていたMIYOSHI 黒田祐介氏は「とにかく運用開始までに時間と手間がかからない」と強調する。
サポート体制も充実しており、黒田氏は「当社の製品はスマートフォンなどで簡単に操作できる使いやすい仕様だが、それでも『ここがわからない』『この場合はどうすればいいのか』という問い合わせは必ず寄せられる。そうした質問に対して、平日9時から17時まで電話やメールで対応する体制を整えている」と説明する。
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