東急建設と東京理科大学は、共同開発した省CO2/省力化コンクリートによる「根固めブロック」の現場実証を開始した。外気温や雨、湿度の影響を受ける実際の河川備蓄環境下で、長期的なCO2固定能力を把握する。
東急建設は2025年2月6日、東京理科大学と共同開発した省CO2/省力化コンクリートを用いた「根固めブロック」の現場実証を開始したと発表した。ブロックは日本コーケンの協力を得て製作。災害対策用に屋外備蓄する環境下で、CO2固定能力を検証する。
実証試験は2024年12月から、荒川河川下流河川事務所の管理地内で実施中だ。外気温や雨、湿度の影響を受ける実際の河川備蓄環境下で、長期的なCO2固定能力の把握を目指す。将来は省CO2/省力化コンクリートの一般土木構造物への適用拡大を図る。
両者はこれまでの室内での促進実験や短期の屋外検証により、省CO2/省力化コンクリートで製造した根固めブロックの施工コストやCO2排出量/吸収量の試算を行ってきた。その結果、従来のコンクリートと同等以上の硬化品質を保持しながら、製作時CO2排出量を51%削減、製作時間を52%短縮できることを確認。短期の屋外検証では、大気中のCO2吸着固定速度が従来比9倍に増加する結果が得られた。
国土交通省関東地方整備局は2020年から、大学などの研究機関が持つ先端的な技術(シーズ)と現場ニーズをマッチングし、早期の社会実装/実用化を促す「大学等研究機関とのマッチング」を実施している。東急建設と東京理科大学は、2022年度の「インフラ分野の脱炭素化に寄与する技術」に採択された東京理科大学のシーズ「混和材大量使用締固めを必要とする高流動コンクリートの開発」と、現場ニーズである「環境負荷軽減材料による根固めブロックの製作/備蓄」とのマッチングにより共同研究開発に取り組んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.