EARTHBRAINやNTT東日本ら7社は、NEDOが公募した「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」の実施予定先に採択された。上下水道や電力、ガス、通信などの設備情報を共通化し、維持管理業務の効率化につなげる。
EARTHBRAINは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」の実施予定先に採択されたと2024年7月に発表した。
今回の研究開発はEARTHBRAINに加え、東日本電信電話(NTT東日本)、NTTデータ、エヌ・ティ・ティ・インフラネット(NTTインフラネット)、東京ガスネットワーク、東京電力パワーグリッド、ソフトバンクの計7社が参画。研究開発期間は、2024年5月から2025年3月まで。
7社は、電力や上下水道、ガス、通信といったインフラ管理事業者の設備状況を統制下に置き、相互に占有状況を照会できるインフラ管理DXシステムを開発する。
また、インフラ管理事業者が有する設備情報データを共通フォーマットに変換。位置情報を補正や統合して、3D都市モデルや空間ID形式へと変換できるツールも開発する。ツールを用いて、先行実装地域のさいたま市や八王子市の200キロ平方メートルを対象に、地下インフラ情報を整備する。
さらにシステムやツールを活用し、埋設物の照会や掘削工事の建機向けマシンガイダンス、災害時の情報共有といった3つのユースケース実行に向けたシステム開発や業務効率化などの検証も行う。
従来、地下インフラは、管理事業者がそれぞれに設備情報を個別に保持して更新管理しており、計画や工事、維持管理それぞれで個別の作業が必要となっていた。各事業者の設備情報を同時に確認する際、図面の仕様を合わせて位置情報を統合する必要があり、業務の共通化を図ることができず、維持管理でコストや人手、時間を要していた。
災害時には各事業者がインフラ設備の被害状況を把握し、自治体や所管省庁、防災機関へ報告や情報公開を行い、各機関が連携して復旧対応している。現状は各事業者からの情報は提供形式や提供タイミングが必ずしも統一化されておらず、複数のライフラインが断絶したエリアの特定などの総合的判断や復旧対応に時間がかかっている。
今回7社は、こうした課題を解決するためのデータ連携システムとしてインフラ管理DXシステムを開発する。事業者間の業務共通機能に必要なデータセットを提供することで、協調領域として業務の共通化や自動化、リソースの最適活用などを目指す。
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