大成建設は、施工管理業務支援システム「T-iDigital Field」の機能を拡張し、工事関係者間でリアルタイムに進捗状況を共有できる歩掛記録アプリケーション「ワクロク」を開発した。杭打ち工事の地中障害物撤去工で活用したケースでは、全体作業時間の6割を削減できた。
大成建設は2024年8月21日、施工管理業務支援システム「T-iDigital Field」の機能を拡張し、工事関係者間がリアルタイムに進捗状況を共有できる歩掛記録アプリケーション「ワクロク」を開発したと発表した。Web画面で開始/終了のボタンを押すだけで作業の歩掛情報を記録し、記録作業を大幅に効率化できる。
これまでに全国の建設現場7件に試験導入して検証を行い、その効果を確認した。杭打ち工事の地中障害物撤去工で活用したケースでは、歩掛記録に要していた作業時間が、杭1本あたり従前の5分から2分に短縮され、全体作業時間の60%(杭152本で合計456分)が削減できた。
ワクロクは、シンプルな設定と操作方法によりデータ取得を容易にした。記録したい作業は、建設現場に合わせて自由に設定できる。
まず、記録する作業と、模式図で表示する作業エリアをExcelデータに基づくCSVファイルに入力し、クラウドにアップロードする。使用時には、登録した作業の中から歩掛を記録する作業を選択し、開始ボタンをタップして記録を開始する。終了の際も同様にボタンをタップすると時刻が記録され、歩掛が算出できる。
工事関係者はPC、スマートフォン、タブレット端末などのさまざまなデバイスからワクロクにアクセス可能だ。記録した作業の進捗状況は、グラフや模式図、チャートなどで自動的に可視化する。また、T-iDigital Fieldとのデータ連携により、建設機械の稼働データなども自動で取り込める。
今後はワクロクの建設現場への適用を進め、取得したデータの検証や分析、蓄積データを基に、新たな施工支援アプリケーションの開発や、現場の施工と安全に関する管理機能の拡張などを図る。
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