村井氏は、BIMの用途を「作る」「使う」「残す」の3つに分け、時間軸と目的別の視点で建物のライフサイクルからBIMによる情報マネジメントを解説した。
BIMを建物の管理運用で活用する際、民間企業や自治体といった1つの主体が複数の建物を多棟管理すると、時間軸の中で複数の情報が並走する。村井氏は、「並走する情報を扱うには、ライフサイクルの目的に応じた実践が必要だ」と語った。
作るのBIMは、本講演以外にも多くのBIMに関わる人が取り上げてきた。作るの用途では、主に設計や生産で建築情報を効率的に管理するツールとしてBIMが語られる。一般的にはCADとBIMの思想の違い、データの移行や連携の課題が提起される。村井氏も、CADとBIMのコマンド比較やBIMそのものの概念などを説明した。
設計・生産のBIM活用に対し、村井氏は「作るための情報を単位化して形式化するのは、手間になる側面もある」としながら、「データが標準化されていれば、複数の人が意思決定のコミュニケーションを円滑に進められる。その点が、業務プロセスを上手に進めていくためのポイントだ」と語った。
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