ウェザーニューズとオムロンは、狭小な現場でも設置しやすい小型の気象IoTセンサー「ソラテナPro」を共同で開発した。高性能のIoTセンサーで現地の気象をリアルタイムで可視化し、建設現場の安全対策などに役立てられる。
ウェザーニューズは2023年7月5日、小型で設置しやすい新型気象IoTセンサー「ソラテナPro」を発売した。設置するだけで、気温、湿度、気圧、雨量、風向、風速、照度の7項目を観測し、データ収集ができる。開発はオムロンと連携し、2022年3月にスタート。両者のノウハウを生かして手軽さとともに、データ収集の精度や迅速性、使いやすさなどを追求した。
同日に開かれた記者会見で、ウェザーニューズ Mobile/internet事業部 グループリーダー 上山亮佑氏は、「2つの会社が持つ強みを生かしたプロダクトで、少しでも災害の被害を減らし、持続可能な社会づくりに貢献していきたい」と意気込みを語った。
近年は自然災害が深刻化し、建設業界でも現場ごとにきめ細かに天候を観測できるニーズが高まっている。一般的な天気予報では、ゲリラ豪雨などの局所的な天候の変化に対応しづらかったり、天気が急変しやすい山岳部などでは情報が得られなかったりする。
これまでにもウェザーニューズでは、気象観測機器の導入を企業に提案してきたが、従来製品では超えなければならない課題が山積していた。雨量計や風速計、気温計など、それぞれの計測したい機器を設置すると大幅なコストがかかってしまう。さらに、遠方や狭所の現場では、通信環境や設置場所の確保なども困難で、導入を諦めてしまうケースが多々あった。
ソラテナProはこうした課題を解消するため、気温(-20度〜50度)、湿度(0〜100%)、気圧(600〜1100hPa)、雨量(0〜50mm/h)、風向(0〜360deg)、風速(0〜50m/s)、照度(0〜15万lx)の7つの観測機能を1つに集約。電源を入れるだけで1分ごとに各項目のデータを収集し、現地の気象情報をリアルタイムで取得する。高精度なセンシング技術で、毎時50ミリの激しい雨や風速50メートルの猛烈な風の観測もカバーし、機材1つで「日本国内の気象現象を測れる」(上山氏)。小型で設置しやすい点も特徴で、高さは約2センチ、重さは約1キロのため、狭いスペースや遠方でも導入しやすい。
取得したデータは、ウェザーニューズが提供するお天気アプリ「ウェザーニュース」と連携しており、トップページの“マイ天気”上に表示されるユーザー企業の専用ページでリアルタイムに閲覧できる。過去データは蓄積されるため、日々の変化や天候の移り変わりなど、目的に合わせて天候データを分かりやすく見比べられる。
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