FOV(Field Of View:視野角)は、測量精度が良好でレーザー強度の高い下方120度、ビルや橋梁(きょうりょう)などの構造物やオーバーハング形状の地形の計測に適している下方180度の2タイプから選択する。RIEGL miniVUX-3UAVのFOVは360度だが、TDOT 7 NIRでは、機体と干渉する上方180度をカットし、データ容量の増加を防いでいる。
また、オルソ画像生成に用いる可視光カメラも搭載。オプションで、サーモグラフィーカメラにも換装可能だ。さらに、LTE通信モジュールを内蔵し、LTEでVRS(仮想基準点方式)の情報を取得することで、RTK-GNSSを利用したリアルタイムでの点群解析に応じる。解析したデータは、LTE回線で専用サーバへアップロードされ、遠隔地からでも確認できるため、災害時など一刻も早く点群データで現場状況の把握が求められる場面で力を発揮する。
TDOT 7 NIR-Sは、最大パルスレート2.4MHz、最大スキャンスピード400Line/秒、最大FOV100度、最大エコー数32のスペックを持つリーグルの「RIEGL VUX120-23」と、TDOTシステムを統合したハイエンドレーザースキャナー。
TDOT 7 NIR-Sのサイズは115(幅)×180(高さ)×220(奥行き)ミリで、重さは約2.8キロと軽量で、TDOT 7 NIR同様に、Matrice 300 RTKに取り付けられる。オプションで、可視光カメラとサーモグラフィーカメラのカメラユニットが用意されている。
TDOT 3 GREENは、その名の通り、グリーンレーザーを照射するレーザーシステムだ。ドローン測量に用いられる一般的なLiDARのレーザー波長は905ナノメートル(近赤外域)だが、TDOT 3 GREENのレーザー波長は532ナノメートル(緑色域)。地上から水面下となる河床や海底地形(理論値で水深13.5メートル)まで、3D地形をシームレスに可視化する。「近年、豪雨災害が増えているが、グリーンレーザーならば濡(ぬ)れた地面でも測量可能なので、発災後すぐにデータ収集を始められる」(製品紹介担当者)。
TDOT 3 GREENの重さは約2.7キロ(本体のみ、アンテナは除く)と軽く、こちらもMatrice 300 RTKに載せられる。既に、国内外で100台以上の使用実績があるという。
最大パルスレートは60kHz、最大スキャンスピードは30Line/秒。最大FOVは90度で、最大エコー数は4。回転と加速を測定して、始点との相対位置を計算するINS(慣性航法装置)とGNSSを合わせた複合航法システムを実装している。
アミューズワンセルフは、フライト後のデータ処理に用いるプラットフォームも提供している。フライトで取得したデータをクラウドにアップするだけで、電子基準点や固定局を利用した最適軌跡解析など、LiDAR測量に必須となる煩雑な処理が数分で完了する。後は、そのデータをPCにダウンロードして専用ソフトウェアで点群データを出力するだけだ。製品紹介担当者は、「こうしたスピード感も、TDOTシリーズが評価されている点」と強調する。
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