パナソニック エレクトリックワークス社は、光の色彩で街を演出する「街演出クラウド YOI-en」が体感できるデモフィールドを大阪府門真市の本社構内に新設した。リアルな場で手軽に説明できる環境を整え、サービス普及に努める。
パナソニック エレクトリックワークス社は、街の設備照明を一括制御して体験価値を創出するサービス「街演出クラウド YOI-en(ヨイエン)」が体感できるデモフィールドを大阪府門真市の本社構内に新設した。
デモフィールドは、YOI-en導入を検討する顧客に対して、リアルなデモンストレーションで具体的に説明できる効果を狙うとともに、新しいサービスの実証の場としても活用してシステムのさらなるブラッシュアップを目指す。
YOI-enは、さまざまな色が出せる演出用のフルカラー照明を街の設備照明として整備し、建物や街路、木々などをライトアップするサービス。制御システムをクラウドにつなげることで遠隔操作を可能にし、遠隔地での照明演出、道路や川をまたいだライトアップなど多様な演出プランを提供する。
統一的なテーマカラーや季節ごとのシーズンカラーで地域を彩ったり、人の行動を光でコントロールしたりする屋外照明の演出手法「アフォーダンスライティング」を用いて、「誘導」「回遊」「滞留」などを促すなど活用方法はさまざまだ。
2023年4月26日に大阪府門真市の本社構内で開かれた体験会で登壇した同社ソリューションエンジニアリング本部 ソリューション事業統括部 パブリックエンターテインメントカテゴリー 宮本千琴氏は、「近年は外国人観光客の受け入れ再開などを背景に、国内外の人々に向けた街の魅力向上が求められている。当社のサービスは、さまざまな照明を一括でコントロールすることで、街にストーリーをもたせて人々に新たな体験価値を提供する」と狙いを説明する。
こうしたサービスの普及に向け、パナソニックの門真市本社構内に設けたのが「YOI-en Field」だ。構内を1つの街に見立て、行き帰りのエントランス、並木道、芝生エリアの3つのエリアに、LED照明器具を285基設置して、YOI-enの魅力をアピールする。現在は並木道と芝生広場の2カ所で照明を点灯しており、2023年7月に全エリアで稼働を開始する。
デザインを担当した同社デザインセンターライティングデザイン部の城寶俊亮氏は、「演出コンセプトとして、ライティングで自然と前に進みたくなるような空間づくりを目指した」と話す。
歩いていくと地面から植栽、建物へと徐々に明かりの位置が高くなっていく立体的なライトアップを施し、自然と視点が上がって前へ前へと人を誘導していく。
既に稼働を開始している桜の並木道は、桜の色を引き立てるライティングとなっている。春の演出だけではなく、四季折々で光の色を変化させて季節を問わずに通る人々の目を楽しませる演出を施す。
メインの桜を引き立てるように周辺の建物のエッジや頂部も連動してライトアップさせて、景色の広がりを感じられる工夫もしている。
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