NEXCO中日本は2018年3月〜4月、NEXCO3社で初のICT技術を舗装補修工事に活用した試行工事を実施した。対象工事は東名高速の富士管内舗装補修工事で、ICTによる施工面積は1213m2だった。
NEXCO中日本は2018年5月24日、東名高速道路の舗装補修工事で、NEXCO3社では初のICT技術を全面的に活用した試行工事を実施したことを発表した。
NEXCO中日本では、国土交通省のi-Construction施策に基づき、新設工事でICT土工の本格導入を進めるとともに、コンクリート構造物の現場施工からプレキャスト化による現場作業の効率化も推進し、生産性向上に取り組んでいる。
その一環として2018年3月〜4月に、東名高速道路の舗装補修工事の一部1213m2(平方メートル)で、舗装の基層と表層部の施工にICTを採用した。事前測量、3次元設計データの作成、3次元データによる施工および検査(出来形管理)の全工程で適用性の検証を行った。
対象の工事は、東名高速道路(特定更新等)富士管内舗装補修工事(2017年度)で、全体の工期は2017年5月30日〜2018年8月22日。施工者は大成ロテック。工事のうちICT舗装は2018年3月〜4月に行い、施工面積は1213m2。
ICTの試行は、既発注工事に追加する形で、受注者の大成ロテックと協議が成立し実施した。
導入したICT技術は、1.光波を用いた測量機器(トータルステーション)とレーザースキャナーによる事前測量、2.舗装切削および舗装施工(舗設)の3次元設計データの作成、3.3次元設計データを活用した舗装切削機とアスファルトフィニッシャなどの建設機械の自動制御、4.トータルステーションおよびレーザースキャナーによる施工(舗設)後の検査(出来形管理)の4つ。
ICT土工は、事前測量では、人の手による測量(水糸法)に比べると、路上での測量行為自体が省かれる。トータルステーションを用いた建設機械の自動制御では、問題なく稼働することを確認した。最後の出来形管理では、レーザースキャナーで設計と実測の差分をPC上で計算し、出来形を管理することで、作業員が舗装厚さや幅員などを実際に測る必要がなくなり、資料作成などの内業も省略化されるとみられている。
NEXCO中日本では、試行工事を実施した段階であり、現時点では生産性向上など、定量的な評価はこれからとしながらも、今後、ICTを活用した舗装補修工事をさらに展開していくとしている。また、そこで得られたデータにより、従来工法に対する生産効率の評価や測量・施工精度を踏まえた管理基準の見直しなどを検討し、舗装補修工事のさらなる安全性、生産性の向上を推し進めていくとしている。
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