風で生じる縦格子手すりの振動音を低減する部材を開発、大成建設防音

大成建設は、集合住宅のバルコニーなどに設置される縦格子手すりで生じる風の振動音を大幅に低減する部材「T-Silent Wind Noise」を開発した。今後は、縦格子手すりから発生する風振動音の低減対策として、T-Silent Wind Noiseを提案していく。

» 2022年12月13日 13時00分 公開
[BUILT]

 大成建設は、集合住宅のバルコニーなどに設置される縦格子手すりで生じる風の振動音を大幅に低減する部材「T-Silent Wind Noise(ティーサイレント ウィンドノイズ)」を開発したことを2022年11月25日に発表した。

風振動音を約20〜55デシベル低減可能

 国内では近年、タワーマンションなどの高層建物が増加し、縦格子手すりや日よけと目隠しに用いるルーバー材などの建物外装材に、風が作用して発生する風の振動音が問題となっている。

 とくに、縦格子手すりでは、毎秒5メートル程度の低風速で、風の振動音が起きる場合があり、発生音そのものが耳障りになるだけでなく、固体伝搬音※1として振動発生箇所から遠く離れた室内にも影響を及ぼす可能性がある。

※1 固体伝搬音:部材で発生した振動が部材固定と支持部により構造躯体を介して広範囲に伝搬し、伝搬した室の内装材から音として再び放射される現象。

 こういった風振動音への対策として、これまで縦格子部材に直交する横つなぎ材を追加設置することで、発生振動を抑制する方法などが適用されてきたが、風振動音を完全に抑え込むことは難しい。さらに、外部からの意匠性や室内からの眺望を妨げるだけでなく、横つなぎ材に足を掛けて、昇降し児童が転落する可能性もあり、安全性確保などの課題があった。

 そこで、大成建設は、風振動を低減するポリウレタン系防振材を加工し、縦格子手すりに密接するようにはめ込むことで、風振動音を大幅に低減する部材のT-Silent Wind Noiseを開発し、風洞実験によりその有効性を検証して確認した。

風振動音風洞実験結果 周波数スペクトル比較例(縦格子手すり、風速は毎秒10メートル) 出典:大成建設プレスリリース

 具体的には、縦格子手すりの最下部にT-Silent Wind Noiseを挿入し、多様な風振動音に対する低減効果を風洞実験によりチェックした。その結果、T-Silent Wind Noiseの適用により室内からの景観や安全性を損なうことなく、風振動音を約20〜55デシベル(dB)低減することを実現する。

 加えて、T-Silent Wind Noiseでは、軽量・コンパクトな形状の「連続タイプ」と「ピースタイプ」の2種類を用意しており、風振動音が発生する場所に応じて適したタイプを選べ、施工に際して工具が不要なため、後付けでも容易に装着できる。

「T-Silent Wind Noise」のタイプ 出典:大成建設プレスリリース
既存縦格子手すりへの「T-Silent Wind Noise(ピースタイプ)」適用前後比較 出典:大成建設プレスリリース

 また、実際の建物に設置されている縦格子手すり(総延長約22メートル)への取付作業では、作業員2人により1時間程度で施工が完了した。なお、縦格子手すりからの着脱防止を目的とした突起形状をT-Silent Wind Noiseに付加することや意匠性を考慮した着脱防止用アルミ製カバーも取り付けられる。

既存縦格子手すりへの「T-Silent Wind Noise」への着脱防止用アルミカバー設置状況 出典:大成建設プレスリリース

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